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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2021/07/13 その315 フローチャートの描ける人、描けない人
最近は聞かなくなりましたが仕事をする時でもシステムを作る時でもフローチャートを描くのは常識であった時代があります。システムとは仕事の流れを自動化、または省力化するものですからまずは仕事の流れを把握し、どこに判断があり、その判断基準は何なのかを知らないとシステムが完成しません。
最近のシステムはパッケージ化されているのでシステムに仕事を合わせろと言われる様になり選択ポイントはどれが使いやすいかであって現状の仕事の流れには必ずしも則っていないことがあります。しかし会社が異なっても同じシステムを使えば伝票や請求書、支払いの標準化ができ社会全体の効率が高くなります。同様に転職が簡単になりいわゆる「JOB型雇用」がやり易くなります。しかし、元々をただせばシステム会社が仕事の流れを研究し最も適切と思われる仕事の流れと処理の仕方、判断基準を設定してシステム開発をしており、システム会社の競争力はどれだけ普遍的に使えるシステムを開発したかにかかります。日本企業は独自システム開発に拘り、普遍性の少ない独自基準に基づくシステムを開発したので規模も小さく、開発コストも高くなりました。
最近のコロナ対策を見ていると全く同じことが起きています。
各省庁、各自治体が独自にシステム構築をするので折角地域コードがあるのに他地域からのアクセスを制御できなかったり、マイナンバーがあるのにそれとは別の個人認識番号を各自治体が独自に割り振るので自治体を超えた情報収集がマニュアルになったりと非効率でしかも穴の多いシステムになっています。また、ワクチンの入手時期が不明でも接種に使用する注射器は6回分取れる1mlの
注射器が必要なことはかなり早い段階で把握できていたはずなのにワクチンの入手が決まってから手配したので不足が起きるということが起きました。これらはフローチャートを描いてどこに課題があるかをCPM手法等を使えば簡単に把握できたのに、誰もこの様な検討を早めにしていなかったということです。
役所は前例主義ですからフローチャートは何十年も前に描かれていて、今起きている緊急の事態には対処できていませんし、新たにフローチャートを描いて検討する能力もなかったということです。大日本帝国陸軍のサプライチェーン構築が弱かった、実際は無いに等しかった頃からの悪しき伝統が今も続いています。
最近は聞かなくなりましたが仕事をする時でもシステムを作る時でもフローチャートを描くのは常識であった時代があります。システムとは仕事の流れを自動化、または省力化するものですからまずは仕事の流れを把握し、どこに判断があり、その判断基準は何なのかを知らないとシステムが完成しません。
最近のシステムはパッケージ化されているのでシステムに仕事を合わせろと言われる様になり選択ポイントはどれが使いやすいかであって現状の仕事の流れには必ずしも則っていないことがあります。しかし会社が異なっても同じシステムを使えば伝票や請求書、支払いの標準化ができ社会全体の効率が高くなります。同様に転職が簡単になりいわゆる「JOB型雇用」がやり易くなります。しかし、元々をただせばシステム会社が仕事の流れを研究し最も適切と思われる仕事の流れと処理の仕方、判断基準を設定してシステム開発をしており、システム会社の競争力はどれだけ普遍的に使えるシステムを開発したかにかかります。日本企業は独自システム開発に拘り、普遍性の少ない独自基準に基づくシステムを開発したので規模も小さく、開発コストも高くなりました。
最近のコロナ対策を見ていると全く同じことが起きています。
各省庁、各自治体が独自にシステム構築をするので折角地域コードがあるのに他地域からのアクセスを制御できなかったり、マイナンバーがあるのにそれとは別の個人認識番号を各自治体が独自に割り振るので自治体を超えた情報収集がマニュアルになったりと非効率でしかも穴の多いシステムになっています。また、ワクチンの入手時期が不明でも接種に使用する注射器は6回分取れる1mlの
注射器が必要なことはかなり早い段階で把握できていたはずなのにワクチンの入手が決まってから手配したので不足が起きるということが起きました。これらはフローチャートを描いてどこに課題があるかをCPM手法等を使えば簡単に把握できたのに、誰もこの様な検討を早めにしていなかったということです。
役所は前例主義ですからフローチャートは何十年も前に描かれていて、今起きている緊急の事態には対処できていませんし、新たにフローチャートを描いて検討する能力もなかったということです。大日本帝国陸軍のサプライチェーン構築が弱かった、実際は無いに等しかった頃からの悪しき伝統が今も続いています。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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