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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2021/12/24 その327 柔らかい個人主義の誕生を読む その1
1980年に山崎正和が著した『柔らかい個人主義の誕生』を40年後の今、本棚から取り出して読み始めました。
1960年代と1970年代では社会的な価値観が大きく変化したことを大胆にも80年代初頭に分析した本ですが、まさに正鵠を得ていて今の時代にもあてはまることに驚きましたので何回かに分けて記したいと考えました。
60年代までは『追いつき、追い越せ』という目的が明確で産業革命以来の生産性至上主義に誰もが疑問を持たずにこれからは良い時代が来るという共通認識がありました。『三種の神器』冷蔵庫、洗濯機、テレビを揃えることが実現した時代でした。その後は『3C』カラーテレビ、クーラー、車(カー)が続きます。
そして70年代になるとGDP世界二位(当時の指標はGNP)となりまだ大きな差のあったアメリカを除き西欧主要国を抜いて目標達成し、そこで目標喪失となってしまいました。実は世界的にも国家や組織の目標達成のための活動から各個人がそれぞれの目標を見つけなければならない時代になっており、多くの人が喪失感に襲われ彷徨い始めた時期になります。新しい目標を見つける前にバブルが崩壊し、さらに彷徨うことになります。
しかしその後も『失われた10年』とか『失われ20年』という言葉に代表されるように60年代への回帰を目指してしまい、新しい発想が生まれなかったことは既に経験したことですが、国も企業も教育機関もそして各個人もそのような
変質が起き各自がそれぞれ目的を見つけそれを追求する社会になったということに気づいていません。最近のオリンピックや万博開催は正にその表れですから多数の共感を得られないことは明白です。さらに効率を追求することが是、効率的な生産で物質的な豊かさを求めることから情報の発信によって各個人が自ら考えるような社会への変質が重要とも述べています。
今の時代にも通用するというより40年間も我々はそのような探究をサボっていたということになります。
(次回に続く)
1980年に山崎正和が著した『柔らかい個人主義の誕生』を40年後の今、本棚から取り出して読み始めました。
1960年代と1970年代では社会的な価値観が大きく変化したことを大胆にも80年代初頭に分析した本ですが、まさに正鵠を得ていて今の時代にもあてはまることに驚きましたので何回かに分けて記したいと考えました。
60年代までは『追いつき、追い越せ』という目的が明確で産業革命以来の生産性至上主義に誰もが疑問を持たずにこれからは良い時代が来るという共通認識がありました。『三種の神器』冷蔵庫、洗濯機、テレビを揃えることが実現した時代でした。その後は『3C』カラーテレビ、クーラー、車(カー)が続きます。
そして70年代になるとGDP世界二位(当時の指標はGNP)となりまだ大きな差のあったアメリカを除き西欧主要国を抜いて目標達成し、そこで目標喪失となってしまいました。実は世界的にも国家や組織の目標達成のための活動から各個人がそれぞれの目標を見つけなければならない時代になっており、多くの人が喪失感に襲われ彷徨い始めた時期になります。新しい目標を見つける前にバブルが崩壊し、さらに彷徨うことになります。
しかしその後も『失われた10年』とか『失われ20年』という言葉に代表されるように60年代への回帰を目指してしまい、新しい発想が生まれなかったことは既に経験したことですが、国も企業も教育機関もそして各個人もそのような
変質が起き各自がそれぞれ目的を見つけそれを追求する社会になったということに気づいていません。最近のオリンピックや万博開催は正にその表れですから多数の共感を得られないことは明白です。さらに効率を追求することが是、効率的な生産で物質的な豊かさを求めることから情報の発信によって各個人が自ら考えるような社会への変質が重要とも述べています。
今の時代にも通用するというより40年間も我々はそのような探究をサボっていたということになります。
(次回に続く)
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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