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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2022/01/31 その339 驚きとは
歴史学者エドワード・T・オドーネルは「歴史とはサプライズの研究である」と言いましたがサプライズとは何を意味しているのでしょうか。それまでの常識を超えたことが起こる、あるいは起こした時に人々はサプライズ、つまり驚くので記録に残りその蓄積は歴史となるのかもしれないと考えます。
それではそもそも驚くとはどんな時なのでしようか、そしてそれはいつ、誰がどのようにして認識するのでしょうか。翻って今情報過多の時代に一昔前と同じような驚きがあるのでしょうか。もし無くなってしまったと感じた瞬間に歴史は止まり、人々は人生に対しての興味を失ってしまうかもしれません。
オミクロン株が突然出現した時には一定程度の驚きがあったのでしょうがたちまちのうちに感染状況、変異の内容、これからの生活に対する影響が情報として提供され、収まりかけたコロナ感染に対する不安が増したのですが驚きという感覚ではなく、「やはり」とか「簡単にコロナは収束しない」という常識的な現実に引き戻されただけとも言えます。驚きとは異常現象や超人的なパフォーマンスではなく、もっと日常の中にあったのではないでしょうか。
毎年春になると桜が咲く、雪が溶けるとその下から緑の芝生が見える、白鳥が毎年同じ場所に飛来するなどが本当の意味での驚きであり、その驚きが何故だろうかにつながり探究心が芽生えてきます。日常の中の不思議を感じる力がないと驚きませんし、今のように外部からの情報が「驚きの押し売り」のように氾濫すると人間が本来持っていた感覚が薄れてしまい、ついには全ての判断基準が受動的になり、即ち情報量の過多が人の価値を決めてしまうような世の中になってしまったのではないでしょうか。どんなに精緻な気象予測コンピューターがあってもそれにアクセスできない場所ではやはり指を濡らせて風にかざし天気を読む力が必要になります。
経済でも社会現象でもこのように指を濡らせて『風を読む力』が却って必要になる時代なのかもしれません。
歴史学者エドワード・T・オドーネルは「歴史とはサプライズの研究である」と言いましたがサプライズとは何を意味しているのでしょうか。それまでの常識を超えたことが起こる、あるいは起こした時に人々はサプライズ、つまり驚くので記録に残りその蓄積は歴史となるのかもしれないと考えます。
それではそもそも驚くとはどんな時なのでしようか、そしてそれはいつ、誰がどのようにして認識するのでしょうか。翻って今情報過多の時代に一昔前と同じような驚きがあるのでしょうか。もし無くなってしまったと感じた瞬間に歴史は止まり、人々は人生に対しての興味を失ってしまうかもしれません。
オミクロン株が突然出現した時には一定程度の驚きがあったのでしょうがたちまちのうちに感染状況、変異の内容、これからの生活に対する影響が情報として提供され、収まりかけたコロナ感染に対する不安が増したのですが驚きという感覚ではなく、「やはり」とか「簡単にコロナは収束しない」という常識的な現実に引き戻されただけとも言えます。驚きとは異常現象や超人的なパフォーマンスではなく、もっと日常の中にあったのではないでしょうか。
毎年春になると桜が咲く、雪が溶けるとその下から緑の芝生が見える、白鳥が毎年同じ場所に飛来するなどが本当の意味での驚きであり、その驚きが何故だろうかにつながり探究心が芽生えてきます。日常の中の不思議を感じる力がないと驚きませんし、今のように外部からの情報が「驚きの押し売り」のように氾濫すると人間が本来持っていた感覚が薄れてしまい、ついには全ての判断基準が受動的になり、即ち情報量の過多が人の価値を決めてしまうような世の中になってしまったのではないでしょうか。どんなに精緻な気象予測コンピューターがあってもそれにアクセスできない場所ではやはり指を濡らせて風にかざし天気を読む力が必要になります。
経済でも社会現象でもこのように指を濡らせて『風を読む力』が却って必要になる時代なのかもしれません。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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