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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2022/01/07 その329 柔らかい個人主義の誕生を読む その3
『何か面白いことないか』というのは自己目的を探している証拠ですが、残念ながら簡単には見つかりません。70年代までのように人生の目標が明白であったときは生産性を高めることが最優先されましたが、効率的な生き方から解放されると同時に如何にして時間を消費するかが目標となってきます。目標に向かって進むのではなく,目標を見つける過程が大切になります。茶の湯,クルージングなどに一つの回答があります。消費は情報発信でもあります,だから消費をすることで個人の生きる目的が明瞭になって来るのですが多くの人は消費が情報発信だとは考えていません。
一方で70年代までと異なり国や組織に共通の目標は失われ各自で異なる目標を持つようになりますので、国や会社といった組織は構成員を繋ぎ止める手段がこれまで以上に必要になってきます。最近のリモートワークやギグワークといったこともコロナ禍によるものではなく必然なのかもしれません。組織が共通の目標を共有していた時代と異なり現代の自由の前提は自分が何を欲しているかを完全に知っていることなので,教育もそれに沿って行われるべきですが、相変わらず知識偏重すなわち共通の目標を覚えることから進歩していません。
ものを消耗する欲望には限界がありますがものを蓄積する欲望には限界がないのでプロテスタンテイズムの禁欲的な生産至上主義によって金銭を含むものの蓄積は進みましたが、このような前提が崩れると消費した結果としての他人の目標を情報として得ることが必要になってきます。しかし消費には限界がありますので個人が目標設定するための情報の発信も
限界があり一層目標の設定が難しくなります。このように自我の確立は他人があって可能になるのですがその自我は他人に対して誇示したり主張したりするときには力を失ってしまいます。自分でも気づいていないように見えるとき,強い説得力を持つようになります。ソフトパワーとはこのようなもので『スタイル』と称しても良いでしょう。
それでは日本のスタイルとは何でしょうか。
(次回に続く)
『何か面白いことないか』というのは自己目的を探している証拠ですが、残念ながら簡単には見つかりません。70年代までのように人生の目標が明白であったときは生産性を高めることが最優先されましたが、効率的な生き方から解放されると同時に如何にして時間を消費するかが目標となってきます。目標に向かって進むのではなく,目標を見つける過程が大切になります。茶の湯,クルージングなどに一つの回答があります。消費は情報発信でもあります,だから消費をすることで個人の生きる目的が明瞭になって来るのですが多くの人は消費が情報発信だとは考えていません。
一方で70年代までと異なり国や組織に共通の目標は失われ各自で異なる目標を持つようになりますので、国や会社といった組織は構成員を繋ぎ止める手段がこれまで以上に必要になってきます。最近のリモートワークやギグワークといったこともコロナ禍によるものではなく必然なのかもしれません。組織が共通の目標を共有していた時代と異なり現代の自由の前提は自分が何を欲しているかを完全に知っていることなので,教育もそれに沿って行われるべきですが、相変わらず知識偏重すなわち共通の目標を覚えることから進歩していません。
ものを消耗する欲望には限界がありますがものを蓄積する欲望には限界がないのでプロテスタンテイズムの禁欲的な生産至上主義によって金銭を含むものの蓄積は進みましたが、このような前提が崩れると消費した結果としての他人の目標を情報として得ることが必要になってきます。しかし消費には限界がありますので個人が目標設定するための情報の発信も
限界があり一層目標の設定が難しくなります。このように自我の確立は他人があって可能になるのですがその自我は他人に対して誇示したり主張したりするときには力を失ってしまいます。自分でも気づいていないように見えるとき,強い説得力を持つようになります。ソフトパワーとはこのようなもので『スタイル』と称しても良いでしょう。
それでは日本のスタイルとは何でしょうか。
(次回に続く)
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
バックナンバーは下記URLよりご覧下さい。
BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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