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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2022/01/19 その337 中国のGDPはアメリカを抜くのか?
結論から言うと少なくとも今後30年程度は追いつかないでしょうし、追いつき追い抜いても大きな問題にはなりません。ご存じのようにGDPの伸びは人口成長率と生産性成長率を足したものです。これまでの中国は高い人口成長率と社会インフラの整備による生産性の向上で急激な成長を遂げてきましたが、足元では人口増加率は減少し、特に生産年齢人口はこれから低下が始まります。1950年代からの約30年の急速な日本の経済成長と比較するとその類似性が明確です。
戦後の混乱の沈静化と海外からの日本人の帰国による人口増加、地方からの集団就職という労働力の国内移動と朝鮮戦争特需に対し中国でも地方からの東海岸工業地帯への労働力移動、低価格での国外企業からの代替生産受注というある意味での特需という類似性があります。しかし地方での産業育成、一人っ子政策の影響もあり労働力が不足し始めていますし、同時に社会インフラもある程度整備され、これまでのような高成長は望めません。加えて、習近平体制が今後さらに5年あるいは10年継続する可能性が非常に高く長期独裁体制が確立するので、後継者の育成はできにくい状況になります。
もし、習近平体制がさらに10年継続すると中堅世代は習近平体制の経験しかなく、しかも体制維持派で異論を挟まない人しか指導部にはいないと言うことで、後継者の育成はできません。次世代は第二の習近平か改革派になりますが、擬似習近平体制では高い成長率
を維持することは困難でしょうし高齢化や人口減少も始まります。
一方、鄧小平のような改革派が実権を握った場合は対外協調路線となりますのでGDPがアメリカより大きくなっても世界的なインパクトは小さいでしょう。しかし、現政権末期に様々な混乱が生じ、対外強硬姿勢が取られるリスクは考えておくべきで、そのための準備を今からしておく必要がありますし、日本としては政策を確立しておくことは重要です。
世の中では中国が世界一の大国になることになんとなく不安を感じたり対抗策としての封じ込め議論がありますが、長期的な観点を視野にじっくりと永続的な政策を立案して国民全体の理解を得ることが大切です。
結論から言うと少なくとも今後30年程度は追いつかないでしょうし、追いつき追い抜いても大きな問題にはなりません。ご存じのようにGDPの伸びは人口成長率と生産性成長率を足したものです。これまでの中国は高い人口成長率と社会インフラの整備による生産性の向上で急激な成長を遂げてきましたが、足元では人口増加率は減少し、特に生産年齢人口はこれから低下が始まります。1950年代からの約30年の急速な日本の経済成長と比較するとその類似性が明確です。
戦後の混乱の沈静化と海外からの日本人の帰国による人口増加、地方からの集団就職という労働力の国内移動と朝鮮戦争特需に対し中国でも地方からの東海岸工業地帯への労働力移動、低価格での国外企業からの代替生産受注というある意味での特需という類似性があります。しかし地方での産業育成、一人っ子政策の影響もあり労働力が不足し始めていますし、同時に社会インフラもある程度整備され、これまでのような高成長は望めません。加えて、習近平体制が今後さらに5年あるいは10年継続する可能性が非常に高く長期独裁体制が確立するので、後継者の育成はできにくい状況になります。
もし、習近平体制がさらに10年継続すると中堅世代は習近平体制の経験しかなく、しかも体制維持派で異論を挟まない人しか指導部にはいないと言うことで、後継者の育成はできません。次世代は第二の習近平か改革派になりますが、擬似習近平体制では高い成長率
を維持することは困難でしょうし高齢化や人口減少も始まります。
一方、鄧小平のような改革派が実権を握った場合は対外協調路線となりますのでGDPがアメリカより大きくなっても世界的なインパクトは小さいでしょう。しかし、現政権末期に様々な混乱が生じ、対外強硬姿勢が取られるリスクは考えておくべきで、そのための準備を今からしておく必要がありますし、日本としては政策を確立しておくことは重要です。
世の中では中国が世界一の大国になることになんとなく不安を感じたり対抗策としての封じ込め議論がありますが、長期的な観点を視野にじっくりと永続的な政策を立案して国民全体の理解を得ることが大切です。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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