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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2022/01/13 その332 貧乏な国、日本を救う道
日本では何が起こったのか?
ほとんど成長はせず、1990年には名目GDP(国内総生産)で米国のおよそ54%、中国の約8倍であったものが30年たった2020年には米国の24%、中国の34%と急激に低下し相対的な国力は大きく変化してしまいました。まさに『失われた時代』でした。
日本が停滞している間米国は年平均3%、中国は11%の成長を遂げました。労働生産性の低下、少子高齢化、公的債務のGDP比の悪化など主要な経済指標を捉えても主要先進国の優等生的地位から劣等生に転落しました。
21年のジェンダーギャップ指数では世界120位(世界経済フォーラム156カ国)、報道の自由度では世界67位(国境なき記者団、180の国と地域)にランキングされており、社会的指標においても劣っています。「アベノミクス」は象徴的です、株価を上げ、円安で輸出産業を潤しましたが大企業の内部留保が大きく拡大しただけで、労働賃金は増えず需要は拡大されず、デフレは続き、国民経済に進展をもたらすことはありませんでした。輸出産業の多くがすでに生産拠点を海外に移し、為替フリーの経営に転換しているので円安=輸出数量増には繋がらず、ドルベースの収益が円換算値で増加しただけなので国内の社員への還元は限定的です。商売としての政治屋を排し国家観のある政治家による政治が必要な時ですし革命的な改革が必要です。参議院改革、党議拘束見直し、解散権限定、参考人招致ルールなどなど。
マックス・ウェーバーは、資本主義による近代化が市場と行政に人を囲い込むことを『鉄のおり』、それによる人の振る舞いの劣化を『没人格化』と言いました。だから彼は、政治家だけは命を賭して社会の運命を切り開く覚悟が必要だと考え、学問を修めた国民たちがこうした政治家を生み出す土壌になると言いました。政治家も共同体で育ちますが、日本では共同体がぼろぼろになってしまいこのような土壌が干からびてしまっています。
日本では何が起こったのか?
ほとんど成長はせず、1990年には名目GDP(国内総生産)で米国のおよそ54%、中国の約8倍であったものが30年たった2020年には米国の24%、中国の34%と急激に低下し相対的な国力は大きく変化してしまいました。まさに『失われた時代』でした。
日本が停滞している間米国は年平均3%、中国は11%の成長を遂げました。労働生産性の低下、少子高齢化、公的債務のGDP比の悪化など主要な経済指標を捉えても主要先進国の優等生的地位から劣等生に転落しました。
21年のジェンダーギャップ指数では世界120位(世界経済フォーラム156カ国)、報道の自由度では世界67位(国境なき記者団、180の国と地域)にランキングされており、社会的指標においても劣っています。「アベノミクス」は象徴的です、株価を上げ、円安で輸出産業を潤しましたが大企業の内部留保が大きく拡大しただけで、労働賃金は増えず需要は拡大されず、デフレは続き、国民経済に進展をもたらすことはありませんでした。輸出産業の多くがすでに生産拠点を海外に移し、為替フリーの経営に転換しているので円安=輸出数量増には繋がらず、ドルベースの収益が円換算値で増加しただけなので国内の社員への還元は限定的です。商売としての政治屋を排し国家観のある政治家による政治が必要な時ですし革命的な改革が必要です。参議院改革、党議拘束見直し、解散権限定、参考人招致ルールなどなど。
マックス・ウェーバーは、資本主義による近代化が市場と行政に人を囲い込むことを『鉄のおり』、それによる人の振る舞いの劣化を『没人格化』と言いました。だから彼は、政治家だけは命を賭して社会の運命を切り開く覚悟が必要だと考え、学問を修めた国民たちがこうした政治家を生み出す土壌になると言いました。政治家も共同体で育ちますが、日本では共同体がぼろぼろになってしまいこのような土壌が干からびてしまっています。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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