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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2022/02/28 その349 言葉の定義のない議論は不毛
最近、言葉の定義が不明確なまま色々な議論が進んでいます。一例が『かかりつけ医』です,新聞によってはGP(General Practitioner)という言い方もしていますが、問題なのは誰が患者にとってのかかりつけ医なのか、いつも通っている医者なのか、それとも医者がこの患者さんは私がかかりつけ医ですと認識することなのかが不明なことです。
元々GP制度はイギリスの制度で、地域毎に複数のGPが地域の患者を担当する制度で休日や休診日には担当地域の他の医者が代行しますので、当然診療に必要な情報は共有化されています。GPは専門医ではなくファミリードクターですが専門的又は精密な検査が必要な場合は地域の病院を紹介し病院はGPからの紹介が無いと受診できません。更にGPには技術や経験に応じて診療報酬が支払われ、高い腕前を有する医者ほどそれに比例した十分な報酬が支払われます。
このような定義があって議論するなら良いのですが、今新聞等マスコミや政府関係者から聞かれる議論は何を根拠にしているのか全く不明です。日本語特有の問題でもありますが不毛な議論になり、結局何を根拠に何が決まったのかがわからなくなります。
最近話題になっているデジタル化:DXでも定義は最も大切な要素です。コロナ感染患者の重症者数をとってみましょう。東京都と全国の数字では重症者の定義が異なりますので単純に合算するのは英語の表現で言えば「オレンジとリンゴを一緒くたに足している」という状態ですからオレンジの数もリンゴの数も分かりません。デジタル化とはこのようにデータの定義を明確化することから始まりますが長くアナログで生活をしていた人たちにとってみると当初はデジタル化で仕事が増えることになります。
このように視点を変えるトレーニングもいわゆるリスキリングの重要な一面で、リスキリングとは単に新しい分野の勉強をしましょうということに限らず、発想の転換が最も重要になります。「デジタル化」という言葉に踊らされることなく、本当に求められていることから目を離さないことが重要です。
最近、言葉の定義が不明確なまま色々な議論が進んでいます。一例が『かかりつけ医』です,新聞によってはGP(General Practitioner)という言い方もしていますが、問題なのは誰が患者にとってのかかりつけ医なのか、いつも通っている医者なのか、それとも医者がこの患者さんは私がかかりつけ医ですと認識することなのかが不明なことです。
元々GP制度はイギリスの制度で、地域毎に複数のGPが地域の患者を担当する制度で休日や休診日には担当地域の他の医者が代行しますので、当然診療に必要な情報は共有化されています。GPは専門医ではなくファミリードクターですが専門的又は精密な検査が必要な場合は地域の病院を紹介し病院はGPからの紹介が無いと受診できません。更にGPには技術や経験に応じて診療報酬が支払われ、高い腕前を有する医者ほどそれに比例した十分な報酬が支払われます。
このような定義があって議論するなら良いのですが、今新聞等マスコミや政府関係者から聞かれる議論は何を根拠にしているのか全く不明です。日本語特有の問題でもありますが不毛な議論になり、結局何を根拠に何が決まったのかがわからなくなります。
最近話題になっているデジタル化:DXでも定義は最も大切な要素です。コロナ感染患者の重症者数をとってみましょう。東京都と全国の数字では重症者の定義が異なりますので単純に合算するのは英語の表現で言えば「オレンジとリンゴを一緒くたに足している」という状態ですからオレンジの数もリンゴの数も分かりません。デジタル化とはこのようにデータの定義を明確化することから始まりますが長くアナログで生活をしていた人たちにとってみると当初はデジタル化で仕事が増えることになります。
このように視点を変えるトレーニングもいわゆるリスキリングの重要な一面で、リスキリングとは単に新しい分野の勉強をしましょうということに限らず、発想の転換が最も重要になります。「デジタル化」という言葉に踊らされることなく、本当に求められていることから目を離さないことが重要です。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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