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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2022/02/15 その345 無意識に存在する身分制度
旧聞になりますが国交省での統計数字書換え問題の調査報告書が出されました。様々な原因が書いてあり、いつもの通り再発防止策が述べられていますが究極のところ仕事に対する熱意の欠如に根本原因があり競争の激しい民間企業では考えられないことです。
最も一部重厚長大企業での検査不備等の不祥事も原因は同根だと思います。官公庁や古い体質の重厚長大企業では入社時の学歴や成績で序列が固定化されローテーションルールに従ってそれぞれで決められた地位を通り、予定された。コースに従い定年を迎え、これまた決められた天下り先に行き地位に応じた報酬が決められているというのが実態です。
筆者の某官庁在籍の友人は、在職中にある事件の濡れ衣で出世コースから外れたのですが「そんなところ辞めて転職したら?」という勧めに対し「天下り先の順番を崩すわけにはいかない」と言って役所に残り、予定された
コースに従い何段階か下の天下り先に行きました。
このような一部エリートを除くとどれほど実績や実力があっても課長補佐止まりで、退職時に課長に昇進するということでは今回の事例のような状況で自浄作用は考えられません。このような制度運用を変えることが本当の意味での再発防止策になるわけです。
単に再発防止のみならず、組織の活性化、効率化にも影響しますので中期的に生産性が向上することになります。もちろん改革当初は混乱もあるでしょうが改革に混乱は付きものでそのマイナスより大きなプラスがあれば良いわけです。このような状態を『無意識に存在する身分制度』と呼び、今後の日本がもう一度活力を取り戻すための最大の課題でしょう。
戦後の経済、社会の急回復は戦前の身分制度が敗戦で崩壊した戦後の混乱期にそこから実力のある人が学歴や経験に拘らず活躍できたことが大きな原因です。身分制度はそれに守られている人々「守旧派」には心地よく、外れた人は絶望的な疎外感で意欲を削がれていますので、今こそ『Nobless Obiige』が求められています。
旧聞になりますが国交省での統計数字書換え問題の調査報告書が出されました。様々な原因が書いてあり、いつもの通り再発防止策が述べられていますが究極のところ仕事に対する熱意の欠如に根本原因があり競争の激しい民間企業では考えられないことです。
最も一部重厚長大企業での検査不備等の不祥事も原因は同根だと思います。官公庁や古い体質の重厚長大企業では入社時の学歴や成績で序列が固定化されローテーションルールに従ってそれぞれで決められた地位を通り、予定された。コースに従い定年を迎え、これまた決められた天下り先に行き地位に応じた報酬が決められているというのが実態です。
筆者の某官庁在籍の友人は、在職中にある事件の濡れ衣で出世コースから外れたのですが「そんなところ辞めて転職したら?」という勧めに対し「天下り先の順番を崩すわけにはいかない」と言って役所に残り、予定された
コースに従い何段階か下の天下り先に行きました。
このような一部エリートを除くとどれほど実績や実力があっても課長補佐止まりで、退職時に課長に昇進するということでは今回の事例のような状況で自浄作用は考えられません。このような制度運用を変えることが本当の意味での再発防止策になるわけです。
単に再発防止のみならず、組織の活性化、効率化にも影響しますので中期的に生産性が向上することになります。もちろん改革当初は混乱もあるでしょうが改革に混乱は付きものでそのマイナスより大きなプラスがあれば良いわけです。このような状態を『無意識に存在する身分制度』と呼び、今後の日本がもう一度活力を取り戻すための最大の課題でしょう。
戦後の経済、社会の急回復は戦前の身分制度が敗戦で崩壊した戦後の混乱期にそこから実力のある人が学歴や経験に拘らず活躍できたことが大きな原因です。身分制度はそれに守られている人々「守旧派」には心地よく、外れた人は絶望的な疎外感で意欲を削がれていますので、今こそ『Nobless Obiige』が求められています。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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