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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2022/06/13 その365 何故 出生率が高まらないのか
出生率が恒常的に1.5を下回り始めたのは1995年からでそれ以来約30年間改善が見られません。
最近の1.36という衝撃的な数字を受けて政府は様々な対策を講じようとしています、出産補助、不妊治療費の補助などですがこれらの政策は過去何年も議論され似たような政策は実施されていますが残念ながら結果は出ていません。それは出生率は経済状況、特に先行きの経済見通しに影響されているからで別掲のグラフを見れば明らかなように石油ショック、バブル崩壊、リーマンショックそして最近のコロナ禍という節目ごとにGDPは階段を降りるように下がり、それに伴って失業率は上昇し、出生率は下がっています。
この現象は世界的に同様で例えば中国でも一人っ子政策の変更にもかかわらずGDP伸び率の低下とともに出生率は下がっていますし、他の先進国でも急激な成長が止まると出生率が下がり四半世紀後には老齢化が始まっています。つまり、将来の見通しが立たない、あるいは将来も今と暮らしが変わらない場合によっては悪くなるかもしれないと感じると現状の生活水準で物事を判断するのでとても子供を育てられないという感覚になります。
さて実際はどうでしょうか。
3年ほど前まである幼稚園の経営に関わっていましたが、子供3人の家庭も珍しくなく逆に一人っ子は少なかったのは何故でしょうか。比較的学費の高い幼稚園でしたので、入園希望者家庭の収入も平均よりはかなり高いことが類推されますので、将来の生活に対する不安感は少なく結果的に子供の数が多くなっていたのではないかと考えられます。
翻って自らの生活を考えると社会人になって早い時期に車を買い、遊びまわり結婚して家を買いましたが将来に対しては『何とかなる』と楽観視していたのも事実です、そして実際年収の10倍もする家を買っても何とかなったのです。石油ショックで物価は1年で30%も50%も上がりましたが1,2年遅れで収入も同程度上がり生活感は変わらなかったように記憶しています。
ここから得られる結論は最も効果的な対策は経済の活性化ということになり30年も固定化された経済政治環境を打破するような大変革が求められているのです。
出生率が恒常的に1.5を下回り始めたのは1995年からでそれ以来約30年間改善が見られません。
最近の1.36という衝撃的な数字を受けて政府は様々な対策を講じようとしています、出産補助、不妊治療費の補助などですがこれらの政策は過去何年も議論され似たような政策は実施されていますが残念ながら結果は出ていません。それは出生率は経済状況、特に先行きの経済見通しに影響されているからで別掲のグラフを見れば明らかなように石油ショック、バブル崩壊、リーマンショックそして最近のコロナ禍という節目ごとにGDPは階段を降りるように下がり、それに伴って失業率は上昇し、出生率は下がっています。
この現象は世界的に同様で例えば中国でも一人っ子政策の変更にもかかわらずGDP伸び率の低下とともに出生率は下がっていますし、他の先進国でも急激な成長が止まると出生率が下がり四半世紀後には老齢化が始まっています。つまり、将来の見通しが立たない、あるいは将来も今と暮らしが変わらない場合によっては悪くなるかもしれないと感じると現状の生活水準で物事を判断するのでとても子供を育てられないという感覚になります。
さて実際はどうでしょうか。
3年ほど前まである幼稚園の経営に関わっていましたが、子供3人の家庭も珍しくなく逆に一人っ子は少なかったのは何故でしょうか。比較的学費の高い幼稚園でしたので、入園希望者家庭の収入も平均よりはかなり高いことが類推されますので、将来の生活に対する不安感は少なく結果的に子供の数が多くなっていたのではないかと考えられます。
翻って自らの生活を考えると社会人になって早い時期に車を買い、遊びまわり結婚して家を買いましたが将来に対しては『何とかなる』と楽観視していたのも事実です、そして実際年収の10倍もする家を買っても何とかなったのです。石油ショックで物価は1年で30%も50%も上がりましたが1,2年遅れで収入も同程度上がり生活感は変わらなかったように記憶しています。
ここから得られる結論は最も効果的な対策は経済の活性化ということになり30年も固定化された経済政治環境を打破するような大変革が求められているのです。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ(http://www.bmd-r.com)代表
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ(http://www.bmd-r.com)代表
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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