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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2023/06/28 その417 世論調査の怪
やや旧聞になりますが毎年憲法記念日に合わせて世論調査が行われます。時節柄憲法改正についての世論調査ですが結果はともかくとして設問そのものに疑問があります。
曰く「憲法改正に賛成ですか、反対ですか」
これは一般論であって憲法改正に反対すると言うことは現行憲法を未来永劫維持すると言うことになってしまい世の中の変化が激しい時代にこんなことがあるでしょうか。
つまりこの世論調査は結局何も聞いていないかあるいは言外に憲法第9条の改正に賛成ですか、反対ですかと聞いているのかもしれません。いずれにしても複雑な状況を簡単に結論のみに集約することはリスクでもあります。
そもそも改憲論議というのは、
1.現憲法のどの部分がどのように問題なのか
2.それに対してどのようなアプローチがあるのか
3.更に具体的にどの条文をどのように変えるのか或いは補足するのか
4.そのことによって何が解消されどのような影響が予見されるのか
5.この改正によって憲法全体の理念がどのようになるのか
このようなことが具体的に提示され各レベルでの議論がなされ十分に理解された上で初めて改憲の手続きに進めるものです。そしてこれらの議論が行われる前に改憲の手続き特に国民投票の手続きが明示される必要があります。
現状では一括投票なのか条文ごとの投票なのかさえ不明です。改憲の発議があってから国民投票手続きを決めるのではなく改憲投票と同じ程度に十分な議論と理解をもって全体像を明確にしたのちに初めて具体的な条文審理に入るべきでしょう。
このように考えると冒頭の世論調査は何を聞きたいのかが不明確です。メディアがこの程度の理解力で世論調査を実施し、センセーショナルに記事を書くことに大変疑問を感じるとともに日本の知識階級の理解度はこの程度でしかないのは悲しいことです。
終戦後、GHQが日本人の精神レベルは小学校3年生程度と言っていましたが残念ながら的を得たことなのかもしれません。
やや旧聞になりますが毎年憲法記念日に合わせて世論調査が行われます。時節柄憲法改正についての世論調査ですが結果はともかくとして設問そのものに疑問があります。
曰く「憲法改正に賛成ですか、反対ですか」
これは一般論であって憲法改正に反対すると言うことは現行憲法を未来永劫維持すると言うことになってしまい世の中の変化が激しい時代にこんなことがあるでしょうか。
つまりこの世論調査は結局何も聞いていないかあるいは言外に憲法第9条の改正に賛成ですか、反対ですかと聞いているのかもしれません。いずれにしても複雑な状況を簡単に結論のみに集約することはリスクでもあります。
そもそも改憲論議というのは、
1.現憲法のどの部分がどのように問題なのか
2.それに対してどのようなアプローチがあるのか
3.更に具体的にどの条文をどのように変えるのか或いは補足するのか
4.そのことによって何が解消されどのような影響が予見されるのか
5.この改正によって憲法全体の理念がどのようになるのか
このようなことが具体的に提示され各レベルでの議論がなされ十分に理解された上で初めて改憲の手続きに進めるものです。そしてこれらの議論が行われる前に改憲の手続き特に国民投票の手続きが明示される必要があります。
現状では一括投票なのか条文ごとの投票なのかさえ不明です。改憲の発議があってから国民投票手続きを決めるのではなく改憲投票と同じ程度に十分な議論と理解をもって全体像を明確にしたのちに初めて具体的な条文審理に入るべきでしょう。
このように考えると冒頭の世論調査は何を聞きたいのかが不明確です。メディアがこの程度の理解力で世論調査を実施し、センセーショナルに記事を書くことに大変疑問を感じるとともに日本の知識階級の理解度はこの程度でしかないのは悲しいことです。
終戦後、GHQが日本人の精神レベルは小学校3年生程度と言っていましたが残念ながら的を得たことなのかもしれません。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ(http://www.bmd-r.com)代表
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ(http://www.bmd-r.com)代表
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
バックナンバーは下記URLよりご覧下さい。
BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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