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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2023/03/29 その405 構想力はどこから来るのか
最近の社会状況、特に政治の世界で構想力の無さが明白になっています。理念に基づいた構想を提示することで共感を得られるものです。
何故、こうなってしまったにでしょうか。
理由は一つでは無いでしょうが大きな要素として戦後教育にあるのではないかと考えられます。マルバツ、五者択一のように正解があることを前提とした教育では発想力や論理思考は生まれません。
ある時父親と話をしていた時びっくりしたことがあります。当時(昭和の初め)の帝大の入学試験は長文があり、そこから国語、英語、社会の問題が出題され記述式の回答を求められていたとのことです。最近聞かれる言葉で言えば「様々な事柄を精査」しても正解は無いのです。記述式回答のメリットは今でも一つの議論の的ではありますが主観による1点の差が本当に正しいのかという理由でほとんど導入されていません。しかし海外では広く導入されています。
何故なのでしょうか。
もともと学問に正解はありませんし、時代によって正解と思われることが変化することもあります、例えば太陽系の惑星の数は我々の時代には九つでしたが今は八つです。
要するに何を大切にするかということではないでしょうか。
「効率的に正確に」ということにも勿論意義はありますが人の教育を企業の生産性を同じ様に扱って良いものでしょうか。もしこのようなことで日本全体の実力が低下してしまうのであればそれこそ大問題で却って長期的には生産性を阻害することになります。
政治の世界に戻ると池田勇人、中曽根康弘、田中角栄といった世代は戦前の教育で育った人たちで、中でも田中角栄はほとんど独学で上り詰めた人です。安倍晋三、菅義偉、岸田文雄といった面々は戦後教育を受けた世代です。
理念、信念、想像力、構想力といった観点から見ると大きな断層があるように見えます。
イノベーションとは馬鹿なことを諦めずにやってみることから始まります。「憎まれっ子世に憚る」という言葉もありますのでもっと憎まれっ子になっても良いのでしょう。
最近の社会状況、特に政治の世界で構想力の無さが明白になっています。理念に基づいた構想を提示することで共感を得られるものです。
何故、こうなってしまったにでしょうか。
理由は一つでは無いでしょうが大きな要素として戦後教育にあるのではないかと考えられます。マルバツ、五者択一のように正解があることを前提とした教育では発想力や論理思考は生まれません。
ある時父親と話をしていた時びっくりしたことがあります。当時(昭和の初め)の帝大の入学試験は長文があり、そこから国語、英語、社会の問題が出題され記述式の回答を求められていたとのことです。最近聞かれる言葉で言えば「様々な事柄を精査」しても正解は無いのです。記述式回答のメリットは今でも一つの議論の的ではありますが主観による1点の差が本当に正しいのかという理由でほとんど導入されていません。しかし海外では広く導入されています。
何故なのでしょうか。
もともと学問に正解はありませんし、時代によって正解と思われることが変化することもあります、例えば太陽系の惑星の数は我々の時代には九つでしたが今は八つです。
要するに何を大切にするかということではないでしょうか。
「効率的に正確に」ということにも勿論意義はありますが人の教育を企業の生産性を同じ様に扱って良いものでしょうか。もしこのようなことで日本全体の実力が低下してしまうのであればそれこそ大問題で却って長期的には生産性を阻害することになります。
政治の世界に戻ると池田勇人、中曽根康弘、田中角栄といった世代は戦前の教育で育った人たちで、中でも田中角栄はほとんど独学で上り詰めた人です。安倍晋三、菅義偉、岸田文雄といった面々は戦後教育を受けた世代です。
理念、信念、想像力、構想力といった観点から見ると大きな断層があるように見えます。
イノベーションとは馬鹿なことを諦めずにやってみることから始まります。「憎まれっ子世に憚る」という言葉もありますのでもっと憎まれっ子になっても良いのでしょう。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ(http://www.bmd-r.com)代表
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ(http://www.bmd-r.com)代表
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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