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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2023/03/10 その402 利益率の内外格差
日経新聞に各国企業の純利益率の違いという記事がありました。それによると日本は利益率5%未満の企業が全体の58%を占め米国(27%)欧州(36%)を上回り、中国(27%)よりも大きいという結果です。
以前アメリカ企業の経営者と話をしていた時に新技術を使って新しい製品を開発したが発売は中止したということなので理由を聞いたところ利益率が低いことが見込まれるのでやめたとのこと。さらに聞いてみると粗利益6割で計算すると商品価格が競合他社製品の2倍となり競争力がないので止めたとのこと。
日本企業の発想では販売数量が増えれば原価は下がることが見込まれるので他社製品より10%程度高めの価格設定で当初は損益トントンでもシェアを確保できれば粗利益4割程度にはなるという計算をします。この考え方の違いにびっくりしたのですがこの記事のように利益率の差が圧倒的になる理由がよくわかります。
「過当競争」という言葉を聞きますが、経済理論的には過当競争という概念は無くあくまでも競争です。厳しい競争はありますが、その結果として優勝劣敗が明確になれば敗者は市場から撤退し新しい分野へ再び挑戦するというのが「市場原理」です。
日本で言われる「過当競争」とは敗者が撤退せず金融機関の援助で生き延びることを意味していて「市場原理が働かない」ことになります。平成の時代以降30年以上低迷が続く日本経済の真の原因はこのあたりにあるのでしょう。
「市場原理で撤退」した企業の従業員を援助し、必要な技能・技術をつける教育援助をするのが社会全体の役割で非効率な企業組織を存続させることではありませんし、そのことで社会全体が貧しくなることは避けねばなりません。「3期6年」を大過なく過ごしたいという経営者には退場願い武勇伝を語れるような経営者を歓迎できるようになれば世の中の雰囲気も随分と変化し前向きな活動が増えてくるでしょう。
日本ハムフィアターズが今年からエスコンフィールドという新球場で試合をしますが、今までの野球場の概念と異なりエンターテインメント性十分の野球場を作りました。個人的には新庄監督の贔屓ではありませんが新概念には賛同します。
日経新聞に各国企業の純利益率の違いという記事がありました。それによると日本は利益率5%未満の企業が全体の58%を占め米国(27%)欧州(36%)を上回り、中国(27%)よりも大きいという結果です。
以前アメリカ企業の経営者と話をしていた時に新技術を使って新しい製品を開発したが発売は中止したということなので理由を聞いたところ利益率が低いことが見込まれるのでやめたとのこと。さらに聞いてみると粗利益6割で計算すると商品価格が競合他社製品の2倍となり競争力がないので止めたとのこと。
日本企業の発想では販売数量が増えれば原価は下がることが見込まれるので他社製品より10%程度高めの価格設定で当初は損益トントンでもシェアを確保できれば粗利益4割程度にはなるという計算をします。この考え方の違いにびっくりしたのですがこの記事のように利益率の差が圧倒的になる理由がよくわかります。
「過当競争」という言葉を聞きますが、経済理論的には過当競争という概念は無くあくまでも競争です。厳しい競争はありますが、その結果として優勝劣敗が明確になれば敗者は市場から撤退し新しい分野へ再び挑戦するというのが「市場原理」です。
日本で言われる「過当競争」とは敗者が撤退せず金融機関の援助で生き延びることを意味していて「市場原理が働かない」ことになります。平成の時代以降30年以上低迷が続く日本経済の真の原因はこのあたりにあるのでしょう。
「市場原理で撤退」した企業の従業員を援助し、必要な技能・技術をつける教育援助をするのが社会全体の役割で非効率な企業組織を存続させることではありませんし、そのことで社会全体が貧しくなることは避けねばなりません。「3期6年」を大過なく過ごしたいという経営者には退場願い武勇伝を語れるような経営者を歓迎できるようになれば世の中の雰囲気も随分と変化し前向きな活動が増えてくるでしょう。
日本ハムフィアターズが今年からエスコンフィールドという新球場で試合をしますが、今までの野球場の概念と異なりエンターテインメント性十分の野球場を作りました。個人的には新庄監督の贔屓ではありませんが新概念には賛同します。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ(http://www.bmd-r.com)代表
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ(http://www.bmd-r.com)代表
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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