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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2023/01/17 その395 中国のEV販売数が日本の国内販売数を超えたことの意味
中国の新車販売台数は日本の5倍以上ですがそれでもEVだけでも日本の総販売台数を超えたことの意味は大きいですしその意味することをしっかりと把握することが大切です。
中国のEV車は安いが航続距離が短いし品質も高くないのでそれほど日本にとって脅威では無いという報道があります。しかし、携帯電話やPC,古くは造船などでも見られた現象で「日本の技術力」に対する過信が結果的にシェアを失いそして産業そのものが衰退してきた過去の歴史を再び見ることになりそうです。中国や韓国が圧倒的な生産量で低価格を維持したまま品質を向上させ市場を席巻するという姿はこれまでと全く変わりません。
しかし、上記の話題は広がりを持って検討されず今後急速に日本の自動車産業が衰退することを見逃しています。原因はどこにあるのでしょうか?技術に対する過信もあります、世界の趨勢を見損なっていることもあります。今は利益が出ているという現状維持の意識も高いのでしょう。
嘗てソニーの盛田会長は「最もヒットしている自社製品を超える商品を作れ」という発破をかけていました「ヒット商品を陳皮化させる商品開発」が合言葉になり現状に甘んじないようにしていたのだと思います。
自動車産業を見てみましょう。EV化は誰がみてもこれからのトレンドでドイツと共に品質と技術で世界をリードしてきた日本ですがEV化では遅れてしまいました。PHVの存在が自らの革新を止めてしまったようです、PHVは素晴らしい技術ですが省エネの技術であって脱炭素化の技術ではない上複雑で高価になってしまいます。
政府が思い切って脱炭素に舵を切り産業界の反対を押し切ってでもEV化政策を進めていたら状況は変わっていたかもしれません。自動車産業界も将来の見通しを見誤りました、曰く「EV化は徐々に進む」と盛田流の発想で言えば「世界のトップクラスにいるからこそ現状を変革する新技術を開発してトップを維持するのだと」
ここでも現状維持から抜け出せない日本があり利益率の低い部品産業に活路を見出さなくてはなりません。
中国の新車販売台数は日本の5倍以上ですがそれでもEVだけでも日本の総販売台数を超えたことの意味は大きいですしその意味することをしっかりと把握することが大切です。
中国のEV車は安いが航続距離が短いし品質も高くないのでそれほど日本にとって脅威では無いという報道があります。しかし、携帯電話やPC,古くは造船などでも見られた現象で「日本の技術力」に対する過信が結果的にシェアを失いそして産業そのものが衰退してきた過去の歴史を再び見ることになりそうです。中国や韓国が圧倒的な生産量で低価格を維持したまま品質を向上させ市場を席巻するという姿はこれまでと全く変わりません。
しかし、上記の話題は広がりを持って検討されず今後急速に日本の自動車産業が衰退することを見逃しています。原因はどこにあるのでしょうか?技術に対する過信もあります、世界の趨勢を見損なっていることもあります。今は利益が出ているという現状維持の意識も高いのでしょう。
嘗てソニーの盛田会長は「最もヒットしている自社製品を超える商品を作れ」という発破をかけていました「ヒット商品を陳皮化させる商品開発」が合言葉になり現状に甘んじないようにしていたのだと思います。
自動車産業を見てみましょう。EV化は誰がみてもこれからのトレンドでドイツと共に品質と技術で世界をリードしてきた日本ですがEV化では遅れてしまいました。PHVの存在が自らの革新を止めてしまったようです、PHVは素晴らしい技術ですが省エネの技術であって脱炭素化の技術ではない上複雑で高価になってしまいます。
政府が思い切って脱炭素に舵を切り産業界の反対を押し切ってでもEV化政策を進めていたら状況は変わっていたかもしれません。自動車産業界も将来の見通しを見誤りました、曰く「EV化は徐々に進む」と盛田流の発想で言えば「世界のトップクラスにいるからこそ現状を変革する新技術を開発してトップを維持するのだと」
ここでも現状維持から抜け出せない日本があり利益率の低い部品産業に活路を見出さなくてはなりません。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ(http://www.bmd-r.com)代表
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ(http://www.bmd-r.com)代表
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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