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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2022/08/05 その373 日本の神は八百万
ユダヤ教を元とするキリスト教、イスラム教を含めこれらの宗教は二元論です。一方多民族国家であるインド、中国も日本も多神教です。何故かというと東電に対する地裁判決を聞いて違和感を覚えたからです。賠償額の多寡はともかく経営陣に責任があることに異論はありませんが判決論旨には多いに異論がありそこに二元論的な発想を感じてしまいます。
まず15.7メートルの高さの津波の発生確率が30年間で20%あることを基本としていますが、実際に巨大地震が発生したので予想が正確であったということに異論を挟む人は少ないようですが本当でしょうか、もし予測が13メートルで実際が15メートルであった場合判決はどのように変わっていたのでしょうか。
背景に自然災害も予測できる、それによって災害対応が可能だという危険な発想があります、例えば噴火湾や阿蘇外輪山形成の巨大噴火は予測できるかまた予測できても対応可能なのか、自然に対する冒涜としか思えません。自然災害を完全に防ぐのではなく段階的な対処を考えるべきでしょう。
福島の例を挙げれば注目すべきは原子炉そのものへの地震や津波の直接被害は軽微であったのですが電源が確保できずに冷却できずに爆発に至ったのです。判決でも水密化工事の不作為も指摘されていましたが防潮堤工事を含め対策には何年も必要ですがその間に津波があったら責任はどこにあったのでしょうか。予測をしなかった地震学者でしょうか。
電源に関して言えば最大の課題は予備電源が同一レベル、つまり主要電源と同じ場所にあったということで高所への移設であれば費用も少なく比較的短時間に完成していたでしょう。これができていれば冷却は可能で爆発はなかったと推論されます。この意味では防ぐよりも発生した場合の対処法に優先順位をつけて逐次遂行することをしなかったという点では責任を免れません。裁判ではこのような論理構築をして欲しかったのですが白黒という単純な二元論的な論旨になったのは残念です。
自然災害を防げなかったから責任があるのではなく自然災害に対し時間軸とレベルに応じた対応策を策定し系統的、継続的に対策を実施しなかったことに責任があるのです。さもなければ論点は自然災害に対する予測可能性と精度という神学論争の末に何も進歩しないということが残ります。
ユダヤ教を元とするキリスト教、イスラム教を含めこれらの宗教は二元論です。一方多民族国家であるインド、中国も日本も多神教です。何故かというと東電に対する地裁判決を聞いて違和感を覚えたからです。賠償額の多寡はともかく経営陣に責任があることに異論はありませんが判決論旨には多いに異論がありそこに二元論的な発想を感じてしまいます。
まず15.7メートルの高さの津波の発生確率が30年間で20%あることを基本としていますが、実際に巨大地震が発生したので予想が正確であったということに異論を挟む人は少ないようですが本当でしょうか、もし予測が13メートルで実際が15メートルであった場合判決はどのように変わっていたのでしょうか。
背景に自然災害も予測できる、それによって災害対応が可能だという危険な発想があります、例えば噴火湾や阿蘇外輪山形成の巨大噴火は予測できるかまた予測できても対応可能なのか、自然に対する冒涜としか思えません。自然災害を完全に防ぐのではなく段階的な対処を考えるべきでしょう。
福島の例を挙げれば注目すべきは原子炉そのものへの地震や津波の直接被害は軽微であったのですが電源が確保できずに冷却できずに爆発に至ったのです。判決でも水密化工事の不作為も指摘されていましたが防潮堤工事を含め対策には何年も必要ですがその間に津波があったら責任はどこにあったのでしょうか。予測をしなかった地震学者でしょうか。
電源に関して言えば最大の課題は予備電源が同一レベル、つまり主要電源と同じ場所にあったということで高所への移設であれば費用も少なく比較的短時間に完成していたでしょう。これができていれば冷却は可能で爆発はなかったと推論されます。この意味では防ぐよりも発生した場合の対処法に優先順位をつけて逐次遂行することをしなかったという点では責任を免れません。裁判ではこのような論理構築をして欲しかったのですが白黒という単純な二元論的な論旨になったのは残念です。
自然災害を防げなかったから責任があるのではなく自然災害に対し時間軸とレベルに応じた対応策を策定し系統的、継続的に対策を実施しなかったことに責任があるのです。さもなければ論点は自然災害に対する予測可能性と精度という神学論争の末に何も進歩しないということが残ります。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ(http://www.bmd-r.com)代表
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ(http://www.bmd-r.com)代表
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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