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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2022/08/12 その374 判断基準は記録に残すことが民主主義
突然国葬が実施されることになりました。
賛成、反対それぞれに意見があるでしょうが論点はそこではなくて判断基準があるかないかにあります。
法的には閣議決定で可能ということですが、だからと言って何でもできる訳ではありません。なぜそのような判断をしたのかを明示し、国会で議論し、賛否を問い、記録に残すことが大切でその積み重ねが民主主義になります。
もし判断基準を示さないのであれば時の権力者によって異なる基準で判断し実行することになり正に独裁と同じです、なぜならば過去の判断が次なる行動の基礎とならず議論も深まらないので民主主義の基本である様々な意見が議論で集約されという過程がとれなくなります。「問答無用」と同じで「切り捨て御免」ということですから議論の余地はありません。多数決というのでしょうが、採決前の議論が無いのであればローマの独裁者を生んだ民衆の多数決と同じことになります。
振り返って過去の経緯を見ると安保法制の変更や運用基準の見直し、学術会議の任命拒否などに連なる判断基準を示さない伝統ができてしまったようです。歴史を振り返ってみると似たようなことがあり後世の検証が不可能なことが多々行われてきて残念なことに日本の伝統のようになってしまいました。ナチスによるユダヤ人強制収用者数、死者数、ユダヤ人以外の強制収用者数は正確な記録があるので把握できますし、没収した美術品等も記録があるので戦後かなりの品目が返還されました。
一方で日本の学徒出陣は記録がないので本当に何人の学生が招集され戦地に赴いたのかもわからないそうですから、日韓で問題になっている戦時徴収についても正確な記録がないのかもしれません。
最近では桜を見る会の参加費支払いの領収書や費用総額も「記録がない」。森友学園の払い下げに関わる記録も公文書でありながら「保管されていない」。「記録がない」という言い訳がまかり通っています。
やはり民主主義の基本は都合の悪いことでも正確な記録を残すことから始まります。
突然国葬が実施されることになりました。
賛成、反対それぞれに意見があるでしょうが論点はそこではなくて判断基準があるかないかにあります。
法的には閣議決定で可能ということですが、だからと言って何でもできる訳ではありません。なぜそのような判断をしたのかを明示し、国会で議論し、賛否を問い、記録に残すことが大切でその積み重ねが民主主義になります。
もし判断基準を示さないのであれば時の権力者によって異なる基準で判断し実行することになり正に独裁と同じです、なぜならば過去の判断が次なる行動の基礎とならず議論も深まらないので民主主義の基本である様々な意見が議論で集約されという過程がとれなくなります。「問答無用」と同じで「切り捨て御免」ということですから議論の余地はありません。多数決というのでしょうが、採決前の議論が無いのであればローマの独裁者を生んだ民衆の多数決と同じことになります。
振り返って過去の経緯を見ると安保法制の変更や運用基準の見直し、学術会議の任命拒否などに連なる判断基準を示さない伝統ができてしまったようです。歴史を振り返ってみると似たようなことがあり後世の検証が不可能なことが多々行われてきて残念なことに日本の伝統のようになってしまいました。ナチスによるユダヤ人強制収用者数、死者数、ユダヤ人以外の強制収用者数は正確な記録があるので把握できますし、没収した美術品等も記録があるので戦後かなりの品目が返還されました。
一方で日本の学徒出陣は記録がないので本当に何人の学生が招集され戦地に赴いたのかもわからないそうですから、日韓で問題になっている戦時徴収についても正確な記録がないのかもしれません。
最近では桜を見る会の参加費支払いの領収書や費用総額も「記録がない」。森友学園の払い下げに関わる記録も公文書でありながら「保管されていない」。「記録がない」という言い訳がまかり通っています。
やはり民主主義の基本は都合の悪いことでも正確な記録を残すことから始まります。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ(http://www.bmd-r.com)代表
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ(http://www.bmd-r.com)代表
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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