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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2023/10/27 その435 市場経済のコスト
国民の自由度が高まるという意味で市場原理に変わる制度は今のところありませんがコストがかかることも認識しなければなりません。
市場原理とはアダムスミスに戻れば自由な消費者が神の手により最終的に妥当な需給バランスに到達し均衡すると言われていますが前提として参加者が全て等しい情報を同時に得られることで均衡点が形成されるのです。
しかし現実の社会では、特に最近のようにこグローバルな広がりを持った市場ではこの前提は怪しくなり情報格差や時間の格差があります。それでも市場原理は統制経済よりも機能的で合理的です。
ここで考えなくてはならないのは不確実で時差のある情報に基づく一定のタイムラグがありこの間は市場原理が働かず不公平や不利益が発生する危険があるということです。
これを市場原理のコストと言っても良いでしょう。
問題はどの程度のコストが許容され、また損失(損害)の補填がどのように算出され実施されるのかということについて参加者の理解が得られているかどうかということでこれは政治や行政の役割となります。
極端に言えば選挙とはこのような損失補償の考え方を各政党間で見極めることになるのかもしれません。
具体的な例を挙げるとタクシーのライドシェア制度の解禁があります。インドネシアから帰国したある記者よると日本ではライドシェがなく非常に不便だと感じているとのことです。
現地でも当初は悪質なドライバーや慣れないことでのトラブルがあったそうですが徐々にルールが整備され、また利用者も慣れてきたために今では日常生活に溶け込んでいるとのことです。この不慣れな期間のトラブルが市場経済のコストに他なりません。
何事も変化にはコストがかかることを認識すれば一定期間後には制度が定着し生活が便利になるということです。
残念ながら日本では少しでも課題があると市場原理のコストではなく制度そのものの欠陥だとして導入が阻まれてしまいますが長期的にみると新しいことをやらないコストは導入当初のコストを遥かに上回っていて長期的にはかえって効率が低下してしまいます。
バブル以降の経済低迷の原因はこの辺りにあるのではないでしょうか。
国民の自由度が高まるという意味で市場原理に変わる制度は今のところありませんがコストがかかることも認識しなければなりません。
市場原理とはアダムスミスに戻れば自由な消費者が神の手により最終的に妥当な需給バランスに到達し均衡すると言われていますが前提として参加者が全て等しい情報を同時に得られることで均衡点が形成されるのです。
しかし現実の社会では、特に最近のようにこグローバルな広がりを持った市場ではこの前提は怪しくなり情報格差や時間の格差があります。それでも市場原理は統制経済よりも機能的で合理的です。
ここで考えなくてはならないのは不確実で時差のある情報に基づく一定のタイムラグがありこの間は市場原理が働かず不公平や不利益が発生する危険があるということです。
これを市場原理のコストと言っても良いでしょう。
問題はどの程度のコストが許容され、また損失(損害)の補填がどのように算出され実施されるのかということについて参加者の理解が得られているかどうかということでこれは政治や行政の役割となります。
極端に言えば選挙とはこのような損失補償の考え方を各政党間で見極めることになるのかもしれません。
具体的な例を挙げるとタクシーのライドシェア制度の解禁があります。インドネシアから帰国したある記者よると日本ではライドシェがなく非常に不便だと感じているとのことです。
現地でも当初は悪質なドライバーや慣れないことでのトラブルがあったそうですが徐々にルールが整備され、また利用者も慣れてきたために今では日常生活に溶け込んでいるとのことです。この不慣れな期間のトラブルが市場経済のコストに他なりません。
何事も変化にはコストがかかることを認識すれば一定期間後には制度が定着し生活が便利になるということです。
残念ながら日本では少しでも課題があると市場原理のコストではなく制度そのものの欠陥だとして導入が阻まれてしまいますが長期的にみると新しいことをやらないコストは導入当初のコストを遥かに上回っていて長期的にはかえって効率が低下してしまいます。
バブル以降の経済低迷の原因はこの辺りにあるのではないでしょうか。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ(http://www.bmd-r.com)代表
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ(http://www.bmd-r.com)代表
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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