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会計実務家コラム
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
佐久間裕輝氏のコラム
2024/12/5 連載コラム№10 リスク・課題管理ルール
今回は、プロジェクト管理ルールの一つとして「リスク・課題管理ルール」についてお話します。
まず、「課題」「問題」或いは「リスク」の定義について考えたいと思います。
こうした言葉は日常的に用いている言葉であり、人により認識・解釈の差があるので、プロジェクト活動においては明確な定義を行い、プロジェクトメンバーや関係者間において共通認識を徹底することが非常に重要です。
まず、「課題」「問題」についてですが、ネットで探ってみると、いい整理の仕方がいくつかあり、それらを参考に相互の関係性について以下の通り整理したいと思います。
●「問題」:”現状”或いは”次に進むこと”に対して影響を与えている事象~病気
●「課題」:影響を与えている「問題」を解決・解消するため、対処すべき方策・施策~治療
いかがでしょうか?
プロジェクトにおいては、何等かの「問題」の発生が想定される予兆、或いは今後より大きな影響に発展しそうな小さな問題が発生した際にそうした事象を「リスク」として”摘み取り(=起票)”ます。そして起案されたリスクに対して、解決に向けた方策(=課題)を検討し、具体的なアクションに落とし込んでいく(WBS化)といったプロセスとなります。
以上より、プロジェクトにおいて「リスク・課題管理ルール」として重要なポイントは、
●リスク・問題・課題とした言葉の定義と双方の位置づけを明確にすること、
●リスクの起案の工程及び起案後の工程を明確に示すこと、 更に、
●起案されたリスクに対して必ず担当者(PIC)を明確にするよう示すこと
が必要となります。
最後にお伝えしたいこととして、今回取り上げた「リスク」や「課題」だけでなく、プロジェクト内で使用される様々な用語には、プロジェクトという社会において、明確な定義が必要と考えます。
プロジェクトメンバー間における特定の用語に対する認識の齟齬が、プロジェクト運営に重大な影響をもたらしてしまうこともあるので、少々ベタな対応かもしれませんが、プロジェクトにおける用語集のような環境を設置することを推奨していいます。
コラム著者 佐久間 裕輝氏
総合商社の経理部門に約10年間在籍した後、米国公認会計士(イリノイ州)取得を経て某会計系コンサルティングファームに参画、その後、フリーランスとしてコンサルティング業を継続中。慶応義塾大学卒
主な著書:経理・財務の実務に必要な「知識×実行」(税務経理協会)
CFO 最高財務責任者の新しい役割(HARVARD BUSINESS SCHOOL PRESS)など
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