- TOP
- ≫ メッセージ
会計実務家コラム
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
佐久間裕輝氏のコラム
2025/3/7 連載コラム№11 プロジェクトにおける“役割・責任分担”定義の必要性
今回はプロジェクト運営若しくはプロジェクトタスク推進に必要となる「役割・責任分担(Roll&Responsibility)」の定義についてお話します。
先般お話した通り、プロジェクトは小さな会社組織のようなものであり、プロジェクト内における、役割や責任の範囲が明確に示されていなければなりません。しかも、長期のプロジェクトであると、フェーズ単位で目的やアプローチが変化していくため、状況に応じて常に調整や見直しを継続していく必要があります。
役割や責任分担の定義方法のポイントについては以下の通り整理できます。
・各チームの業務・責任範囲を明確に定義すること
・各ケースにおける意思決定者を明確に定義すること
・各タスクや成果物と明確に連携されていること
・全体を俯瞰し相互の役職間に明確な線引きが認識できること
今回のお話も、通常の組織運営においては、極めて当然の仕組みであり、会社運営においては、「職務権限明細」などの社内ルールにおいて明確に定義されています。
しかし、プロジェクトという期間限定であり、且つ進捗状況に応じてプロジェクトの構成やタスクが変化を繰り返す場合などは、そうした動きに応じて「役割・責任分担」も常に見直されて行かなくてはなりません。
「役割・責任分担」が明確に定義されていない場合、プロジェクトの実態の即していない場合などに伴う生じる事象として考えられるのは、
・特定の組織やメンバーにタスクが集中してしまう
⇒進捗管理不全
・取り組まれていないタスク、或いはいつまでも完了しないタスクが残ってしまう
⇒進捗管理不全
・リスクや課題問題点が解決されないまま残ってしまう。
⇒リスク・課題管理不全
要するにこれまでお話したような様々なルールをいくら整備しても、その根底を支えることとなる「役割・責任範囲」が明確に定義されていなければ、どのルールも機能不全に陥り、無法地帯なプロジェクトと化してしまうのである。
これまでのプロジェクト実績より、あらゆるプロジェクトルールの中で、最も重要であり、且つ最も精度が求められると考えています。
コラム著者 佐久間 裕輝氏
総合商社の経理部門に約10年間在籍した後、米国公認会計士(イリノイ州)取得を経て某会計系コンサルティングファームに参画、その後、フリーランスとしてコンサルティング業を継続中。慶応義塾大学卒
主な著書:経理・財務の実務に必要な「知識×実行」(税務経理協会)
CFO 最高財務責任者の新しい役割(HARVARD BUSINESS SCHOOL PRESS)など
佐久間裕輝氏のコラム バックナンバー
2024.12.05 |
連載コラム№10 リスク・課題管理ルール」 |
2024.11.14 |
連載コラム№9 プロジェクトの「進捗管理ルール」 |
2024.10.04 |
連載コラム№8 プロジェクト管理ルールの重要性 |
2024.07.23 |
連載コラム№7 プロジェクト成果物の完成を目指す |
2024.06.17 |
連載コラム№6 プロジェクト・タスクの定義 |
2024.05.22 |
連載コラム№5 プロジェクト推進の生命線となるWBSの在り方 |
2024.04.19 |
連載コラム№4 昨今のプロジェクト・マネジメントについて考えること |
2024.03.25 |
連載コラム№3 フリーランス・コンサルタントが持つべき「専門スキル×付加価値n」 |
2024.03.06 |
連載コラム№2 コンサルタントに求められる価値の変化 |
2024.02.28 |
連載コラム№1 フリーランス・コンサルタントの良い面/厳しい面 |
BMDリサーチ http://www.bmd-r.com