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会計実務家コラム
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
佐久間裕輝氏のコラム
2024/11/14 連載コラム№9 プロジェクトの「進捗管理ルール」
前回お話した。「プロジェクトルール」のうち、「進捗管理ルール」についてお話いたします。
以前、プロジェクトの基本ツールとして、「WBS」について説明しましたが、こちらはあくまでも進捗管理のためのツールの一つにあるに過ぎず、しっかりとした管理ルール下で活用されなければ、間違いなく形骸化してしまいます。
それでは、しっかりとした管理ルールではどのようなことが定められているべきかというと、ポイントは以下の通りです。
●進捗管理のオーナーを定めること
→通常はプロジェクトリーダー或いはプロジェクトマネージャーでしょうか。
●進捗管理を行うための標準ツール・手段を定義すること
→プロジェクト内で様々なツールが運用されてしまうと、プロジェクト全体を俯瞰した進捗管理に支障があり、ツール間の整合性を図るといった必要無い作業が発生します。
●マスタスケジュールとの同期を常に確保すること
→マスタスケジュールあってのWBSとなりますのですが、双方の関係性が常に確保されていることが必要です。
●定期的にWBSを確認或いはレビューを行うサイクルを定めること
→通常は定期的な会議等にて行われますが、一方でプロジェクトメンバーは会議のサイクルにとらわれず、日々自身のタスクを確認する必要があります。
●遅延或いは滞留タスクを速やか且つ抜け漏れ無く吸い上げ、対処するプロセスを定めること
→プロジェクトオーナー等へのエスカレーション、リスクや課題の管理プロセスへの起案などでしょうか。
いずれも、極めて当然というか、当たり前すぎる「基本動作」かと思いますが、プロジェクト期間が比較的長期の場合や、プロジェクト規模(対象領域、人数規模。。。)が大きければ大きいほど、徹底することが難しくなってきてしまうことが現実です。
そもそも、WBSに記載されているタスクに遅延や滞留が発生しているということは、背景として何等かの問題点が発生していることが十分に想定され、プロジェクト・ゴール実現に大きな影響を来してしまいます。
コラム著者 佐久間 裕輝氏
総合商社の経理部門に約10年間在籍した後、米国公認会計士(イリノイ州)取得を経て某会計系コンサルティングファームに参画、その後、フリーランスとしてコンサルティング業を継続中。慶応義塾大学卒
主な著書:経理・財務の実務に必要な「知識×実行」(税務経理協会)
CFO 最高財務責任者の新しい役割(HARVARD BUSINESS SCHOOL PRESS)など
佐久間裕輝氏のコラム バックナンバー
2024.10.04 |
連載コラム№8 プロジェクト管理ルールの重要性 |
2024.07.23 |
連載コラム№7 プロジェクト成果物の完成を目指す |
2024.06.17 |
連載コラム№6 プロジェクト・タスクの定義 |
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