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会計実務家コラム
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
佐久間裕輝氏のコラム
2024/6/17 連載コラム№6 プロジェクト・タスクの定義
前回、プロジェクト推進におけるWBSの重要性について触れましたが、今回はそもそもWBSを構成する「プロジェクト・タスク」の定義における考え方の一例についてお話します。
まず、「タスク」とはいったいどういったものでしょうか?
Webを眺めてみると、特定の”仕事”を構成する「最小単位の作業」或いは「作業のひとつひとつ」などといった説明が為されており、具体的な詳細作業を指しているのだろうと認識できます。
しかしながら、そもそも大事なことは各プロジェクト・タスクの軸となるプロジェクトの目標や取り組み内容などが的確に設定されているかということであり、私がプロジェクト・タスクを定義する際は、「ODW」の枠組みに基づき進めています。
「ODW」とは、「Objectives(目的)⇒Deliverables(成果物)⇒WBS"」となり、相互の関連性を示した枠組みとなります。“そりゃそうだろ”という声も聞こえてきますが、昨今のプロジェクトでは意外とこの枠組みが見失われているように見受けられます。この枠組みでは、プロジェクト・タスクを示すWBSを適切に定義するためには、まずはプロジェクトの目標を達成するための「Objectives」及び「Deliverables]の定義が大変重要なスタートポイントであることを示しており、そのためには、まず目標に向けたハイレベルのアプローチを整理する必要があります。
例えば、あるプロジェクトの目標が「システム再編を伴う業務見直し」としましょう。
この場合の中間目標を業務体系(To-Be)構築とした場合、「①現状業務分析(As-Is)」→「②課題改善策策定」→「③新業務構築(To-Be)」というアプローチとなると想定します。
この①~③が「Objectives」となり、次の取り組みとして各「Objective」を達成するためにどういった「Deliverable(成果物)」が必要となるかを定義していきます。
この際に是非行うべきが「各成果物の連携を整理することで、各成果物が有機的に関連していることを確認することが重要なのです。多くの場合、「成果物関連図」として可視化します。なんだ、やはり当たり前のことと感じるかもしれませんが、この進め方が精緻に行われていないと、実際に日々のプロジェクト・タスクを示すWBSは全く機能しない産物となり、プロジェクトを円滑且つ精度高く進めることができなくなります。
コラム著者 佐久間 裕輝氏
総合商社の経理部門に約10年間在籍した後、米国公認会計士(イリノイ州)取得を経て某会計系コンサルティングファームに参画、その後、フリーランスとしてコンサルティング業を継続中。慶応義塾大学卒
主な著書:経理・財務の実務に必要な「知識×実行」(税務経理協会)
CFO 最高財務責任者の新しい役割(HARVARD BUSINESS SCHOOL PRESS)など
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