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会計実務家コラム
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
佐久間裕輝氏のコラム
2024/4/19 連載コラム№4 昨今のプロジェクト・マネジメントについて考えること
今回は以前にも触れた「プロジェクト・マネジメント(PM)」の昨今の状況についてお話したいと思います。
ここ数年にわたり、私自身も強く感じているのですが、コンサルタント市場において「プロジェクト・マネジメント」ニーズが高まっています。
稼働しているプロジェクト母数と市場のPMコンサルタント数の間における需給バランスが安定していないことも要因にはあると思いますが、一方で、現場で取り組まれているプロジェクト・マネジメントそのものの質が少々低下してきていることも一因にあるのではと推察しています。
プロジェクトは特定の目的実現に向けて組成される期間限定の組織であり、「プロジェクト・マネジメント」機能が全体の舵取役となり、多くの場合、プロジェクト・マネージャーやプロジェクト・マネジメント・オフィスにより、「マネジメント=経営」が行われます。一方で、この「プロジェクト・マネジメント」にも「方法論」が設けられており、プロジェクトを進めるにあたり、一定の考え方やタスクやリスク・課題他を管理する標準ツールを備えることはできます。
それでは、そこまで整えられているにも関わらず、なぜうまくマネジメントができなくなるのでしょうか。
プロジェクト・マネジメントにおいてはそもそものプロジェクトの目的やタイプ、あるいはその進捗状況によって変幻自在な取り組みが必要となります。また、プロジェクト・メンバーの入れ替わりもあります。
要するにいくら、方法論に則り、定番の管理ツールを用いたとしても、”血の通った”運用が行われなければ、うまく機能しないと考えます。“血の通った”マネジメントが為されなければ、必ずプロジェクトそのものの体調が崩れてしまいます。
また、コロナ禍を通じて、オンラインベースのプロジェクトが一般化し、ひと昔前の「プロジェクト・ルーム」を拠点とした物理的にも全体を見渡すことができる運営ができないケースも多くなってきており、標準的な方法論や管理ツールに捕らわれない、柔軟な管理を行うことを常に意識していかなければならないと強く認識しています。
私の場合、自身の役回りに関わらず、まずはプロジェクトの“性格”を見極めることに努めています。
コラム著者 佐久間 裕輝氏
総合商社の経理部門に約10年間在籍した後、米国公認会計士(イリノイ州)取得を経て某会計系コンサルティングファームに参画、その後、フリーランスとしてコンサルティング業を継続中。慶応義塾大学卒
主な著書:経理・財務の実務に必要な「知識×実行」(税務経理協会)
CFO 最高財務責任者の新しい役割(HARVARD BUSINESS SCHOOL PRESS)など
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