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会計実務家コラム
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
佐久間裕輝氏のコラム
2024/10/4 連載コラム№8 プロジェクト管理ルールの重要性
今回は、プロジェクト運営にとって最重要項目であるにも関わらず、意外に徹底されていない「プロジェクト管理ルール」についてお話します。
これまでお話してまいりましたが、プロジェクトとはテンポラリーな組織体である一方で、企業活動に近い形で管理されていかなくては、目的に向かって運営ができないということは、誰もが容易に理解できると思います。
通常、会社には様々な管理規程や処理基準などが整備され、そういったルールの環境下であらゆる企業活動が営まれています。ルールが無ければ企業としてのガバナンスは機能しないのです。
プロジェクト活動でも同様なのですが、それではどういったルールを設ければよいでしょうか。
あくまでも一つの例示となりますが、一般的には以下のようなルールが考えられます。
●進捗管理ルール
●リスク・課題管理ルール
●役割・責任範囲ルール
●文書・データ管理ルール
● コミュニケーション・会議体ルール
●リソース管理ルール
●予算管理ルール
こういったルールをひとまとめにしたルールブック(或いは「プロジェクト憲章」)として整備し、プロジェクト内でいつでも閲覧できるようになっているケースが多いです。
あくまでもプロジェクトというテンポラリーな組織体に対するルールとなるので、前述の様な企業における大局的な管理規程や処理基準と比べるとより具体的な設定となることが見て取れます。
こういったルールを詳細に定義することにより、例えば途中より参加したプロジェクトメンバーが「迷子」になるようなことが無いような環境設定が重要なのです。
更にこういったルールがうまく機能せず形骸化しないように、プロジェクトマネージャーやプロジェクトマネジメントオフィスは、プロジェクトメンバーに対して周知徹底を継続することが重要なのです。
私はこうした環境設定の脆弱さに起因し、炎上してしまうプロジェクトを何度も目の当たりにしています。
コラム著者 佐久間 裕輝氏
総合商社の経理部門に約10年間在籍した後、米国公認会計士(イリノイ州)取得を経て某会計系コンサルティングファームに参画、その後、フリーランスとしてコンサルティング業を継続中。慶応義塾大学卒
主な著書:経理・財務の実務に必要な「知識×実行」(税務経理協会)
CFO 最高財務責任者の新しい役割(HARVARD BUSINESS SCHOOL PRESS)など
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