• TOP
  • ≫ ワークダイバーシティ

ワークダイバーシティ

会計ダイバーシティでは働き方の多様性(ワークダイバーシティ)を支援しております。
勤務をしていると、現職の業務中心でなかなか他業界、異職種の情報は入り難いことと思います。
様々な職種(業務内容)や勤務スタイル、海外勤務例などを紹介してまいります。ご自身の今後のキャリア形成の参考として頂けますと幸いです。

【海外トレンド発信】マッキンゼーが考えるZBBの有用性

2019年1月15日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

最近欧米企業で流行しているZBB(ゼロベースの予算策定)について、マッキンゼーが以下のような記事を書いていた。



How absolute zero (-based budgeting) can heat up growth

https://www.mckinsey.com/business-functions/operations/our-insights/how-absolute-zero-based-budgeting-can-heat-up-growth

コストカットは成長を止めてしまうというジレンマ

この記事によると、過去4年間にコストカットを実施した企業の約6割~7割の企業は、その間成長できていないらしい。コストカットにより利益を増やす事ができたとしても、社内に混乱や戸惑いが起こり、人々がそのコスト感に慣れるまでの数年間はなかなか成長できる状況にならないらしい。部門のリストラや部署異動などが頻発していたら落ち着いて働いていられないからだろう。
ZBBは成長を促すコストカット策

一方ただのコストカットではなくZBBを使ったコストカットは経費を削減しつつ企業の成長を促進する事ができるとマッキンゼーは提案している。ZBBはあたかもその部門をこれからスタートするような要領でゼロから必要な予算を積み上げていく。過去の実績値を基準に予算を決めるよりも明らかに無駄なコストを省く事ができ、大きなコストカットになるのは必至だが、問題はそれを毎年行う時間と手間だ。経理や経営企画だけではなく各部門の人たち自身がコストを積み上げる作業をしないといけないため、全社で行うと大きな時間コストを使ってしまう事になる。しかしマッキンゼーいわくこの「大きな手間と時間」自体が成長を促す鍵だなのだそうだ。
ROIの経営感覚を身につける

例えば営業部門であれば売上をどれだけ上げるかのみが関心で、経費は使えれば使えるだけ良いという感覚になりがちだ。しかしZBBでコストを積み上げていく際にはどうしても「このコストは本当に必要なのか?」という事を気にせざるを得ない。積み上げた以上その理由を問われれば説明できないといけないからだ。そのプロセスを繰り返していくうちに「うちは今期は売上は横ばいだったが、コストをこれだけ削減して利益は大きく伸ばした」という事も言えるようになる。更にこのZBBの文化が根付くと本当に有効なコストのみを選択するようになっていき、経営者的なROIの感覚が浸透していくらしい。毎年全社でZBBの作業を行うのは大変な事ではあるが、それ以上の効果が期待できるようだ。面倒な作業を好まない欧米で最近ZBBが流行しているのは、このような理由なのかもしれない。
中小事務所の強い味方

今まで中小事務所は監査シーズンにたくさんのスタッフが必要で、しかし一度確保してしまうとシーズンオフに人員過多となってしまうというジレンマを抱えていた。しかしこのAIサービスを使えばハイシーズンの人員需要を少なく抑える事ができる。これは中小事務所にとって強い味方になりそうだ。今後は大手向けだけではなく中小向けのこのようなAIやロボティクスサービスもどんどん登場してくるかもしれない。

ワークダイバーシティ記事一覧

※ 過去のワークダイバーシティ記事一覧はコチラからご覧ください。