• TOP
  • ≫ ワークダイバーシティ

ワークダイバーシティ

会計ダイバーシティでは働き方の多様性(ワークダイバーシティ)を支援しております。
勤務をしていると、現職の業務中心でなかなか他業界、異職種の情報は入り難いことと思います。
様々な職種(業務内容)や勤務スタイル、海外勤務例などを紹介してまいります。ご自身の今後のキャリア形成の参考として頂けますと幸いです。

【海外トレンド発信】Googleスプレッドシートの「意外な」有用性

2018年2月21日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

Excelのクラウド版として登場して久しいGoogleスプレッドシートだが、実は今まであまり使う事が無かった。スプレッドシートをただ誰かと共有するためのものだとしたら、あまり有用だと思えなかったし、エクセルのショートカットや細かい機能が使えないのを不便に感じていたからだ。しかし、今回その「意外な」有用性を発見した。
データ収集に効果を発揮

例えば、未収金の回収作業を各営業部門に依頼しその回収状況をレポートしてもらうする。日本ならば期限までにきちんとレポートしてもらえそうなものだが、欧米だと3割くらいのデータが収集できれば良い方だ。「早く出せ!早く出せ!」とせっついてやっと7割くらいが上出来だろう。

ところが、Googleスプレッドシートを使うと9割以上のデータが集まり、更にその情報精度が高い事を発見した。
鍵は「黒板効果」

各営業部門毎、もしくは営業マン毎に未収の請求書のリストをGoogleスプレッドシートにアップ。そこに回収可能性やその理由を各自が書き込むように依頼する。更にこのGoogleスプレッドシートは日本の本社の経営陣にも共有されている事を全員に告知する。

すると不思議な事にあっと言う間に書き込み欄が埋まっていく。人が書き込んでいるのが見えるので、自分だけまだ書き込んでいないのが嫌なのだろう。お互い競うようにデータを埋め始める。また、本社がリアルタイムで見ているので「多分回収できると思う」などのいい加減な事は書き込めない。

そういう意味で情報の精度もかなり上がる。
入力方法などの説明要らず

Googleスプレッドシートの最も良いところは、Excelのインターフェイスをほぼコピーできているところだろう。スプレッドシートを共有さえすれば、後はその使い方などを教える必要もなく誰でもデータ入力やソートをして使いこなす事ができる。あとはこのスプレッドシートが経営幹部まで「晒されている」という事をメール等で随時リマインドするだけだ。
Journal(日報)も効果的

日報や週報での経営管理はあまり楽しいものではないが、会社の中がグダグダになっている職場には最も有効な方法の一つだ。しかしこの日報もメールで送るようになどと言ったところでアメリカ人達にはまず通用しない。一週間も続かないでフェードアウトしてしまうのだ。

ところがこれもGoogleスプレッドシートを使って複数人が同じスプレッドシートに日報を入力するようにし、経営幹部がそのシートにコメントを入れるようにすると驚く程の効果を発揮する。他の人の日報と張り合うように自分の日報を入れようとするので、報告できる成果をなるべく多く出そうというモティベーションが湧くようだ。経営陣からのフィードバックも晒されているので緊張感があり、公開されている交換日記のような効果を発揮する。


今のところ未収金の回収や日報以外でも、売上予測などのレポート系では例外なく威力を発揮している。今後もこの黒板効果を上手く活用し経営管理効率を上げていきたいと思う。

ワークダイバーシティ記事一覧

※ 過去のワークダイバーシティ記事一覧はコチラからご覧ください。