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【海外トレンド発信】イギリスのコロナ対策給与支援が遂に終了

2021年12月27日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

イギリスの『Furlough scheme』という政府の給与補助制度が9月末をもって終了となる。このFurlough schemeは、従業員を一時帰休にするとその従業員の給与の一部を政府が負担してくれる制度で、多くの企業がこの制度を利用し従業員を解雇する事なくコロナの危機を乗り切った。今ではイギリスも活動制限がほぼなくなりコロナ前と同じような生活ができるようになったため、企業活動ももう補助は必要ないという判断になったのだろう。ところが、経済はコロナ前に戻ってももう戻らないものが出てきた。それはコロナ後の社内体制だ。
少ない人員で回せる社内体制が完成
Furlough schemeで一時帰休の人を増やし、少ない人員で業務を回していた企業の殆どはその人員で回せる体制を構築した。ITの導入や業務システムの見直しによりシンプルな業務フローを構築したり、誰がいないのが一番困るのかを精査したりしてコロナ禍のピンチをなんとか凌いだのだ。私が取締役を勤めている企業でも社内体制の再構築を行いスリム化できたので結果的にはとても良い機会であった。ところが、Furloughが終わると一時帰休していた人達が職場に帰ってくる。帰ってきてももうやる仕事はない。この人達をどうするのか?という問題が今イギリスのビジネス界で大問題となっている。
準備の良い企業はFurlough中から従業員と交渉
多くの企業はFurloughの終了が決定されるまでこの問題は棚上げしてしまっていたが、準備の良い企業は少人数の社内体制が整った段階で準備に入っていた。一時帰休中の従業員にもう帰ってきても仕事がない旨を丁寧に説明し、Furlough期間を利用して転職活動をして欲しいという交渉だ。政府がFurloughを実施している間はいつまででも一時帰休として雇用を継続する代わりに、Furloughが終了したら解雇になるという約束だ。十分な猶予期間を与えられた従業員は積極的に転職活動を行う事ができるため、多くの従業員がこの提案を受け入れたそうだ。

準備をしていなかった企業はこれからオフィスに帰ってくる従業員達との熾烈な交渉が待ち受けている。この問題が一段落するまでには半年くらいかかりそうだ。
戦略より柔軟さ
California Pizza Kitchenが2020年の6月という早い段階で破産法の申請をした大きな理由は債務の多さにあったらしい。拡大戦略を掲げ売上を伸ばし続けそれと同時に負債も増やしていった結果、計画どおりに行かなかった場合の柔軟性に欠けていた。強固なビジネスプランはあったが硬すぎてどこかにヒビが入ると割れてしまう。一方AirBnBは財務的にも企業文化的にも柔軟性を維持していたため、危機に柔軟に対応する事ができた。

この記事は非常時の例として書かれていたが、これらは日常的に備えておかなければならない資質のようにも思える。変化が著しい昨今では先を読むことが難しい。読めなければどんなに戦略を練ったとしてもそのとおりになる確率は低い。それならばスピードを重視しアクションを重ね、財務的にも思考的にも変化を外部変化を寛容に受け入れる柔軟性を維持する事が大切なのだろう。
二発目の副反応は少しハード
今度は接種翌日に37度超の発熱があり一日寝込む事となった。しかし多くの人がそうだったように、二日目には回復して通常通りとなった。

二回のワクチン接種をして驚いた事がいくつかあった。一つは日頃は(日本人に比べて)いい加減なアメリカ人達が、見事にシステマティックな接種体制を整えて、まさにF1のピットストップのように効率的な接種を行っていた事だ。状況に応じて素早くドライブするーからウォークインにシステムを大変更したのも驚きだった。そしてもう一つはボランティアの多さと素晴らしさだった。車を誘導する人も摂取する看護師も、軍の関係者とボランティアでまかなわれていた。その数は膨大な数だがこれだけ多くの人がボランティアとして素早く集結する事に感銘した。また、ボランティアは自発的に参加しているためか、一般の病院などよりも親切でハツラツと明るい対応をしていて、とても気持ちよく接種を受ける事ができた。このような光景を目の当たりにすると、自分も何かコミュニティーに貢献しないといけないなという気分になった。
第2ラウンドスタート

4月27日に第2ラウンドのローン受付がスタート。今度の予算は$250B。前回より少ない。今回は大企業が申し込みしにくい世論環境が整ったが、それでも一瞬で無くなってしまう気配は濃厚だ。メガバンクのローン申請システムは未だにフリーズ状態でカクカク言っている。埒が明かない。そこで私は新興勢に目をつけた。Paypalだ。私が取締役をしている企業の殆どはメガバンク経由での申請で立ち往生していたためPaypalでのローン申請に切り替えた。今回の件でパンク状態となってしまった金融機関を補完すべく、政府はPaypalなどの新興フィンテック勢にも銀行免許を急遽発行したのだ。『新興のPaypalであればまだパンクしていないはず』という目論はみごとに当たり、トントンとプロセスが進む。結果ローン申請は3日ほどで完了し、後は政府からの返答待ちという状態となった。$250Bに潜り込めたかどうかはあと数日後にわかるだろう。

もし潜り込めたら2ヶ月間は今の人員を維持できる。しかしダメだったら更なるリストラを決行する必要が出てくるかもしれない。全てはロックダウンがいつ終わり経済が正常に戻るかにかかっている。ピリピリした春になりそうだ。

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