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【海外トレンド発信】会計事務所の業態変化 アワリーチャージから定額課金へ

2018年7月9日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

長い間会計士業務の請求モデルとして一般的だったアワリーチャージ(時間課金)が徐々に廃れ始め、ネット企業的な定額課金システムが普及し始めているという情報が『2018年以降の会計業界トレンド』で紹介されていた。


Accounting Trends That Will Dominate in 2018 & Beyond
http://content.hubdoc.com/hubdoc-blog/accounting-trends-2018


技術の進化でアワリーチャージが不適切に

誰が何時間使ったかで課金するアワリーチャージは、完全に人手で行われる業務には適するが、最近はロボティクスや各種業務アプリの利用により人手が介在する時間が激減しつつある。そんな中、今まで通りの時間をチャージするのは顧客に対して虚偽請求になってしまうし、逆に本当の人手の部分をチャージしたのでは採算が合わない。このような事情から請求形態を月額などの定額課金とし始めた会計事務所が増えてきているらしい。
効率化を推進するモティベーションに

アワリーチャージの時は極端に言えば効率化しなくても使った時間は顧客にチャージできるという点でテクノロジーを駆使した効率化を行う動機付けが曖昧であった。ところが定額課金にすると効率化して時間やコストを抑える事ができれば、その分利益や余剰時間をダイレクトに享受する事ができるので事務所としても積極的に効率化を推し進める事ができるようだ。
顧客にとっても有益

定額課金は顧客にとっても予算を組みやすいという点で有益なようだ。何かイレギュラーな事が発生し業務が増えたとしても定額内である程度吸収されるという点でも安心感があるだろう。またこれは個人的な意見だが、アワリーチャージは請求書を見た顧客に良い印象を与えないように感じている。弁護士の請求書を見たりする時にいつも感じてしまうのだが、アワリーチャージの明細に細かく内容や時間や単価が書かれてあると『こんな業務で1時間$150も請求するのか!』と思ってしまう。相手からするとそれが商売なのだが、明細が詳細であればあるほど『こんな事に時間使って!』と思ったりしてしまう。定額化という流れになればそのような事もなくなるので、事務所にとっても顧客にとってもフェアな取引ができるようになるような気がする。
多くの売り案件が事業継承

私が実際の交渉を行った事務所も売却理由は事業継承だった。50代後半でまだまだ働けそうなCPAの方だったが、毎年のタックスシーズンの多忙さに疲れたらしく『アーリーリタイアしたい』という希望だった。お会いすると、その事務所は小規模なだけあってこのCPAの方が業務の殆どをコントロールしており、もし彼がアーリーリアタイアして事務所から抜けてしまうとなると誰も他に業務をまわせる人がいない事がわかり、私ではカバーしきれないため断念したが、大きめの事務所であればカバーできる人材が多くいると思うので話がまとまるのだろう。

私に届いた案件の多くは、売却希望価格が年間請求金額(売上)の1.3倍前後が多かった。このあたりが相場となっているのだろう。情報のやり取りや交渉の過程もスムーズでフェアなので、今後も良い案件があったら取り組んでみたいと思う。

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