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勤務をしていると、現職の業務中心でなかなか他業界、異職種の情報は入り難いことと思います。
様々な職種(業務内容)や勤務スタイル、海外勤務例などを紹介してまいります。ご自身の今後のキャリア形成の参考として頂けますと幸いです。
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【海外トレンド発信】ロボティクス(RPA)が生む新しい仕事
2017年8月21日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏
米国公認会計士 村田幸伸氏
ロボティクス(RPAソフト)の台頭で今後会計士の仕事が減る事が話題となっている昨今だが、一方で新たな仕事が生まれているという事実もあるようだ。Startribuneのこちらの記事によると、米国のErnst & Youngの税務部門ではロボを導入した事で新しい仕事が生まれているらしい。
■Robotic software sweeping large accounting firms and clients
http://www.startribune.com/robotic-software-sweeping-large-accounting-firms-and-clients/418684153/
Ernst & Youngの米国税務部門では既に200台以上のロボティクス(RPAソフト)を導入済で、年間で数十万時間も業務時間が短縮さているそうだ。税務業務はどうしてもタックスシーズンに業務が集中してしまうが、ロボを導入すれば24時間休まずに申告業務を行ってくれるし、人が足りなくても税務経験者を必死になって探す必要もなく、ロボを増やしてプロセスはコピーペーストでどんどんスケールする事ができる。毎年人手確保に悩まされる事が多い税務部門にとってロボはとても有用だろう。
Ernst & Youngでは、ロボティクス(RPAソフト)は今に会計や税務の人達にとって、今でいうエクセルのように当たり前に使うものになるだろうと予想している。
しかし同時に新たな人手不足の悩みもあるようだ。それは『税務とテクノロジーと両方に詳しい人が全く足りていない』という事らしい。先々は当たり前のものになるとしても、現時点ではツールはあっても使える人が少ないという事なのだろう。
確かに、私の周りの会計士はアメリカでもやはり保守的な人が多く、なかなか今の業務システムを変えたがらない。そんな中でいきなり『ロボを使おう!』などと言ってもアレルギー反応を覚える人の方が多いだろう。しかし逆にそうであればこそ、テクノロジーに詳しい会計士には今後大きなチャンスが巡ってくる可能性が高い。ロボティクスの台頭で生まれるこの新しいニーズはこれからの数年間で大きく膨らむのではないだろうか。
Xero社とは?
世界のSMB(中小企業)向けの会計ソフトでは米のQuickbooksが最もシェアを持っており、Peachtreeを買収した英Sage社が(大きく水を空けられつつも)それに続く存在として長年君臨していた。両社共にデスクトップ版のソフトが主力で、一度使い始めて慣れるとなかなか他のソフトに移行したくないというユーザー側の事情もあり、安定したシェアを維持していた。
ところがここ数年『クラウド専門』の会計ソフトが大きく存在感を出し始め、Xoro社はその筆頭と言える存在となっている。IT企業としては珍しくニュージーランドを本拠地とする同社は、Quickbooksの本拠地であるアメリカでもシェアを伸ばし始め、Sageの本拠地であるイギリスでもSageとシェアを争う存在となっている。QuickbooksもSageもクラウド版のサービスを提供しているのがだ、デスクトップ版でのソフトウエア開発が長いだけにどうしても『その延長』的なサービスになってしまう。一方Xoroは最初からクラウドなので、クラウドサービスとしての完成度がとても高い。
このXoro社のブログに最近『クラウド時代のAIの活用』に関する記事があり、読んでみると彼らの見ている未来に少しハッとする思いがした。
<Xero社のブログ>
How artificial intelligence and machine learning will transform accounting
https://www.xero.com/blog/2017/02/artificial-intelligence-machine-learning-transform-accounting/
世界のSMB(中小企業)向けの会計ソフトでは米のQuickbooksが最もシェアを持っており、Peachtreeを買収した英Sage社が(大きく水を空けられつつも)それに続く存在として長年君臨していた。両社共にデスクトップ版のソフトが主力で、一度使い始めて慣れるとなかなか他のソフトに移行したくないというユーザー側の事情もあり、安定したシェアを維持していた。
ところがここ数年『クラウド専門』の会計ソフトが大きく存在感を出し始め、Xoro社はその筆頭と言える存在となっている。IT企業としては珍しくニュージーランドを本拠地とする同社は、Quickbooksの本拠地であるアメリカでもシェアを伸ばし始め、Sageの本拠地であるイギリスでもSageとシェアを争う存在となっている。QuickbooksもSageもクラウド版のサービスを提供しているのがだ、デスクトップ版でのソフトウエア開発が長いだけにどうしても『その延長』的なサービスになってしまう。一方Xoroは最初からクラウドなので、クラウドサービスとしての完成度がとても高い。
このXoro社のブログに最近『クラウド時代のAIの活用』に関する記事があり、読んでみると彼らの見ている未来に少しハッとする思いがした。
<Xero社のブログ>
How artificial intelligence and machine learning will transform accounting
https://www.xero.com/blog/2017/02/artificial-intelligence-machine-learning-transform-accounting/
会計処理の、その先
このブログを見ると、序盤から何度もAppleのSiriに触れる部分が出てくる。iPhoneに向かって何かを聞くとSiriが答えてくれるというアレだ。私は車を運転している時以外はSiriなど使わずアプリを手で動かす方が多いので、あまりSiriを凄いと思った事はなかった。
しかしXero社はこのSiriの会計版を目指しているような記事の内容だった。
例えば、上司からこんな事を聞かれた事はないだろうか「あの顧客の今月の売上、いくらだった?先月と比較してどう?」などの質問だ。当然全顧客の売上が頭に入っているわけではないので、「今調べます」と言ってシステムをいじる事になるのだが・・・・・・。そう、Xero社はこれをAIでできると考えているのだ。
AIに質問すれば即時に「◯◯ドルです。先月は◯◯ドルです。◯%アップです」などと答えられてしまうというのだ。
このブログを見ると、序盤から何度もAppleのSiriに触れる部分が出てくる。iPhoneに向かって何かを聞くとSiriが答えてくれるというアレだ。私は車を運転している時以外はSiriなど使わずアプリを手で動かす方が多いので、あまりSiriを凄いと思った事はなかった。
しかしXero社はこのSiriの会計版を目指しているような記事の内容だった。
例えば、上司からこんな事を聞かれた事はないだろうか「あの顧客の今月の売上、いくらだった?先月と比較してどう?」などの質問だ。当然全顧客の売上が頭に入っているわけではないので、「今調べます」と言ってシステムをいじる事になるのだが・・・・・・。そう、Xero社はこれをAIでできると考えているのだ。
AIに質問すれば即時に「◯◯ドルです。先月は◯◯ドルです。◯%アップです」などと答えられてしまうというのだ。
クラウドとデスクトップの大きな違い
Xero社はAI活用においてクラウドの重要さを力説している。AIの機械学習においては、学習する内容が多ければ多い方が優秀な脳ができあがる。
デスクトップ版ではその企業固有の例しか見れないが、クラウドであれば世界の無数のXeroユーザーのデータを分析して学習し、精度の高いアウトプットができるようになるという訳だ。
当然ユーザー毎の『癖』の分析も学習できるので、ユーザーの嗜好を見抜いて『ちなみに利益は△△ドルで、原価率は△△%でした』というように気の利いた追加情報も出せるだろう。
Xero社はAI活用においてクラウドの重要さを力説している。AIの機械学習においては、学習する内容が多ければ多い方が優秀な脳ができあがる。
デスクトップ版ではその企業固有の例しか見れないが、クラウドであれば世界の無数のXeroユーザーのデータを分析して学習し、精度の高いアウトプットができるようになるという訳だ。
当然ユーザー毎の『癖』の分析も学習できるので、ユーザーの嗜好を見抜いて『ちなみに利益は△△ドルで、原価率は△△%でした』というように気の利いた追加情報も出せるだろう。
チャットボットとの連携も
私がSiriをあまり使わない理由の一つとして、オフィスや人前でiPhoneに向かって話すのが何となく嫌だというのがある。会計業務でも声に出して何か聞くより、いきなりシステムを動かして調べる方が早い。
しかし経営層や営業など、日頃システムを使い倒してはない人達にとって『聞ける』というのは便利だろう。しかもXoro社はチャットボットとの連携を志向しており、声に出して聞かなくてもチャットで聞くとAIが即時に答えるという世界を考えている。もうこうなると『経理に聞くよりチャットでAIに聞く』というのが普通になるだろう。
私がSiriをあまり使わない理由の一つとして、オフィスや人前でiPhoneに向かって話すのが何となく嫌だというのがある。会計業務でも声に出して何か聞くより、いきなりシステムを動かして調べる方が早い。
しかし経営層や営業など、日頃システムを使い倒してはない人達にとって『聞ける』というのは便利だろう。しかもXoro社はチャットボットとの連携を志向しており、声に出して聞かなくてもチャットで聞くとAIが即時に答えるという世界を考えている。もうこうなると『経理に聞くよりチャットでAIに聞く』というのが普通になるだろう。
会計士も・・・
私はどうしても現在の業務の延長線上でAIの活用をイメージしてしまい『この業務をAIが判断してうまくやってくれたらなぁ』などと考えていた。しかし本当の未来はその先にあって、クライアントから来る質問も私よりもAIにチャットで聞いた方がよほど早くて正確な答えが出るような事が起こるかもしれない。いや、きっと起こるだろう。
Xoroがここ数年であっという間にシェアを拡げたように、会計のAIサービスも出てきたら早いかもしれない。これからは『AIが将来できてしまう事』をできるだけ明確にイメージして、今後の業態を考えていかなくてはならないと思う。
私はどうしても現在の業務の延長線上でAIの活用をイメージしてしまい『この業務をAIが判断してうまくやってくれたらなぁ』などと考えていた。しかし本当の未来はその先にあって、クライアントから来る質問も私よりもAIにチャットで聞いた方がよほど早くて正確な答えが出るような事が起こるかもしれない。いや、きっと起こるだろう。
Xoroがここ数年であっという間にシェアを拡げたように、会計のAIサービスも出てきたら早いかもしれない。これからは『AIが将来できてしまう事』をできるだけ明確にイメージして、今後の業態を考えていかなくてはならないと思う。
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