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【米国のトレンド発信】RPAで変わる経理業務の具体例(経営管理)

2017年6月21日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

RPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)は人に代わってパソコンでの業務を行ってくれるソフトウエアだが、今回はこれを使う事により劇的に効率を挙げる事ができる業務例について考えてみたい。
複数システムからの経営レポート

多くの企業でその企業独自の月次、四半期、年次の経営レポートのフォーマットを持っていると思うが、複数の関係会社の経営レポートを作成したり統合したりするのはなかなか手間のかかる作業だ。会計システムが統合されていない場合も多いので、エクセルに落として手作業でレポートを作成しなければならない。弊社のあるクライアントでは、米国法人はQuickbooks、オランダ法人はExact、イギリス法人はSageと各国の会計システムが違うので、1社づつエクセルに落として作業していく必要がある。しかしこれもRPAを使う事で大きく効率化する事ができる。
RPAが各会計システムからデータを吐き出す

会計システムから数字をエクセルに落とすという単純な作業でも『いい形で落としたい』と思うと様々な設定が必要となる。Quickbooksではその設定をシステムに記憶させて置くことができるが、Exactでは毎回指定する必要があったりし、月一回や年一回の作業となると『あれ、どうやるんだっけ??』というような事態となり時間を浪費してしまう。しかし、毎回同じ作業であるならば、RPAにこの作業を記憶させ、データの吐き出し作業はRPAに任せる事ができる。決算が済んだ所からRPAのタスクをファイアーさせるだけでOKだ。
落としたデータをエクセルのフォーマットに貼付け

エクセルデータを指定したフォルダに何らかの規則的なファイル名で保存したら、それをトリガーとしてRPAの別のタスクを自動的に起動する事ができる。落としたエクセルデータを毎回使っているエクセルのレポーティングフォーマットに貼り付ける作業などがそれだ。ここまでできると後はエクセルの関数とマクロの世界で一気にレポートを自動作成する事ができる。各システムが吐き出すデータの様式も違えば会計基準も違ったりしているが、それらは貼り付けられたエクセルデータを自動集計するように予めエクセルファイルを作っておけばよい。
為替はRPAを使ってWSJのウエブサイトから自動収集

3社共にその企業独自の経営レポートが出来上がったとしよう。財務データも各KPIも同じ様式で綺麗に揃った状態になった。ただここでまた『為替統一』の作業が必要となってくる。ドルとユーロくらいであればわざわざ為替統一せずとも何となく感覚が掴めるが、ここのポンドが加わると数字を把握しにくくなってしまうので、統一して比較し易い状態にする必要がある。弊社のこのクライアントでは為替はWall Street Journalの最新の為替を使う事になっているので、毎回手作業で為替を調べてエクセルに入力していたが、これもRPAで自動的に行う事が可能だ。新しい経営レポートが作成された事をトリガーとして設定し、自動的に為替情報を取ってくるタスクを起動させる事ができる。Webから取ってきた情報をエクセルに入力し別の名前を付けて保存するところまでタスクを指定しておけば、自動的に為替統一まで完了できる。
Webから情報を取るにはパターン認識技術がカギ

Webから情報を取ってくる作業の場合、RPAの技術的スペックによって大きく差が出てくる場合がある。Webの情報はその形式から並び方までどんどん更新されてしまうので、RPAに覚えさせた抽出情報が全く別の場所になってしまう場合がある。そのような場合RPAが情報の場所ではなくパターンを独自に学んでパターン認識する技術があるととても有用だ。以前ご紹介したAutomation Anywhereなどはこのパターン認識技術に定評があるためWebからの情報収集に強いRPAと言えるだろう。

1日作業が数クリックで終了

3カ国の3種類の会計システムの経営レポートを、RPAを駆使すればほんの数クリックで完了させる事ができてしまう。こうなると、4カ国であろうが20カ国であろうが、クリック数が増えるだけで作業時間自体はほとんど増えない。この業務の限界費用が限りなくゼロに近づいていく。今まであれば「人を増やして、各企業毎の特殊事情を教えて・・」などが必要だったがRPAの登場でその必要もなくなりつつある。定例業務はどんなに高度な業務であっても一度じっくりと時間を使ってRPAの活用可能性を考えてみるべきだろう。

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 → 求人情報_RPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)

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