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ワークダイバーシティ

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【海外トレンド発信】RPAの世界の導入状況

2018年1月8日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

ウォールストリート・ジャーナルの以下の記事で、世界の大企業のRPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)導入状況を紹介していた。

『Companies Leave Bean Counting to the Robots』
https://www.wsj.com/articles/companies-leave-bean-counting-to-the-robots-1508407203

イメージ的には予想以上のスケールとスピードでRPAの導入が進んでいる印象を持った。

Stat oilの例

ノルウェーの大手エネルギー会社、Statオイルでは今年財務部門の『売掛金回収係』としてRPAを導入。未払いの請求データを探し出し顧客にリマインダーを送り続ける役目を担っている。人があまりやりたくない業務なだけに、今後売掛回収のロボ化は多くの企業で導入されそうだ。
Nokia社の例

フィンランドのNokia社ではフォーキャスト(業績予測)の業務をRPAに引き継ぐ準備を進行中。過去のデータに基いて将来の予測をするという高度な業務ではあるが、人も何らかのアルゴリズムで予測をしている以上、ロボットでもできるはずだという事らしい。
Orange社の例

フランスの大手携帯電話キャリアであるOrange社では、可能な限り単純業務をRPAに引継ぎ、2020年までに3万人の人員削減を行う計画だ。高度な付加価値業務のみを人が行うよう組織のスリム化を目指している。
Bank of Americaの例

バンカメでは現在人が行っている業務をそのままロボ化するという考えは無い様子だ。まずは現在の業務フローから不必要なものを徹底的に排除し業務のスリム化を行う方を優先している。RPAは単純作業の置換えというよりも、より分析業務に特化して使いたいという意向のようだ。確かに現行業務を一度苦労してロボ化してしまうと、しばらくはその業務フローが進行していまう。RPA導入の前に業務のスリム化を徹底して進めるのは長い目で見るととても重要な事なのかもしれない。

Hackettグループの調査によると、2/3のグローバル企業で今後2~3年の間にRPA導入が行われる予定らしい。この導入により人件費は20%~35%削減され、業務ミスは66%削減されるそうだ。昔のERPやBPOブームの時よりも早いペースで導入が進んでいる印象だ。

RPAはStatオイルのように『売掛回収業務』などの業務単位で小さく導入できるので、初期投資も少なく意思決定も早くできるのも導入が進む一因なのかもしれない。そう考えると5年後にはRPAが導入されていない大企業は殆どなくなるのかもしれない。

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