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【海外トレンド発信】Oprahに学ぶ効果的なインタビュー

2021年4月9日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

オプラ・ウィンフリーという人をご存知だろうか? アメリカではとても有名やテレビ司会者で、先日ヘンリー王子とメーガン妃のインタビューを行い話題となった。このインタビューの放映権にテレビ局が約9億円を支払ったという事も衝撃だったが、ビジネス界ではインタビュアーだったオプラの質問力の高さが称賛され話題となっている。
経営陣に必須のスキル『聞く力』
私は日頃欧米企業の取締役として現地経営者や幹部達と話をし、オーナーである親会社にその状況を適時報告している。話をすると言っても私の場合アドバイスやコンサルティングをするより『聞く』方が8割以上で、聞き出す話の質の高さや深さがとても重要だ。そのせいもあり今回のオプラのインタビュースキルの高さに敏感に反応したのだが、私以外にも多くのビジネスパーソンが感銘を受けたようだ。Insider誌の記事で紹介されていた彼女の質問力の高さの分析の中で、特に気になった点をいくつか紹介してみたい。




Oprah's 7 best interview techniques that anyone can replicate, according to a psychotherapist
https://www.businessinsider.com/habits-that-make-oprah-talented-interviewer-good-listener-2021-3

1.沈黙を恐れない
私もそうだが人は沈黙に弱い。沈黙になりそうになると、何かたわいもない事でも話して沈黙を埋めようとしてしまう。そのたわいもない事が本当にたわいもないと、話が逸れたり薄まってしまったりする。一方オプラは沈黙を全く恐れない。相手の話が止まったらそのまま次の話が来るのを待ち、少々の沈黙は落ち着き払って待っている。するとヘンリー王子の方が沈黙を埋めようとして更に話を続けるようになり、それによって元々質問した以上の話を引き出す事に成功している。
2.直球を恐れない
聞きにくい話を聞く時、人は「答えにくい質問だと思いますが・・」などと恐縮しながら質問をする事が多い。しかし彼女は全く恐縮する事なく、直球で聞くべき事をそのまま質問する。するとヘンリー王子やメーガン妃もそれをすんなりと受け入れ何事もないように素直に答えていた。人は相手が聞きにくい質問をしているように振る舞うと、答える側も答えにくい質問なのだという前提で答える事が多いらしく、そのため全てを話すべきではないと思ったり適当にはぐらかしたりする傾向があるらしい。また逆に、相手にとって答えにくい事を敢えて強調して攻撃的に質問をするインタビュアーもいるが、それは双方の間に壁を作ってしまい相手は防御の姿勢を取るようになってしまう。そうすうと当然本当の話を聞く事はできなくなる。彼女の聞き方はとても直球で、そこに「この話をきちんと聞きたい」という正直さが感じられるので、相手も構えずきちんとした答えができるのだそうだ。


3.出来合いの質問をしない
重要なミーティングやインタビューであればあるほど『これとこれをきちんと聞かないと!』などと意気込んでしまい、こちらの聞きたい事リストを決まり事のように聞いてしまったりする。しかし彼女の質問は出来合いのものではなく、その場で生まれた疑問点を随時聞いていくスタイルだ。それはインタビューというよりまるで普通の会話のようで、そのせいもあり相手は心を開いて色々話してくれていた。このスタイルだと恐らく聞きたい事リストの全てを聞く事はできなくなるかもしれないが、逆に聞きたいと思ってもいなかったような深い話が聞けるチャンスを増やしている。前もって用意できるような予測可能な質問よりも、そのような深い話の方が重要である事は明らかだ。

他にも色々興味深い点があったが、特に上の3点は目から鱗というか、改善しないといけないと思う点であった。これからの日々の業務の中で心がけていこうと思う。
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ローンを受けた大企業は連日次々と判明し、新聞等で大バッシングを受けた。このバッシングによりLAレイカーズなど多くの企業が政府にローンをすぐさま返金するという事も起きた。しかしマスコミに嗅ぎつけられていない大企業は未だ多く、恐らくバレるまでは返金しないというスタンスを取るのだろう。
第2ラウンドスタート

4月27日に第2ラウンドのローン受付がスタート。今度の予算は$250B。前回より少ない。今回は大企業が申し込みしにくい世論環境が整ったが、それでも一瞬で無くなってしまう気配は濃厚だ。メガバンクのローン申請システムは未だにフリーズ状態でカクカク言っている。埒が明かない。そこで私は新興勢に目をつけた。Paypalだ。私が取締役をしている企業の殆どはメガバンク経由での申請で立ち往生していたためPaypalでのローン申請に切り替えた。今回の件でパンク状態となってしまった金融機関を補完すべく、政府はPaypalなどの新興フィンテック勢にも銀行免許を急遽発行したのだ。『新興のPaypalであればまだパンクしていないはず』という目論はみごとに当たり、トントンとプロセスが進む。結果ローン申請は3日ほどで完了し、後は政府からの返答待ちという状態となった。$250Bに潜り込めたかどうかはあと数日後にわかるだろう。

もし潜り込めたら2ヶ月間は今の人員を維持できる。しかしダメだったら更なるリストラを決行する必要が出てくるかもしれない。全てはロックダウンがいつ終わり経済が正常に戻るかにかかっている。ピリピリした春になりそうだ。

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