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【海外トレンド発信】会計業務における『メッセージアプリ』の役割

2017年9月11日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

先日ドバイで業務を行っていた際にハッとする事があった。日頃自分は業務にスマホのアプリを使う事はあまりない。親しい同業者やお客様とFacebookのメッセンジャーやLineで連絡を取り合う程度だ。

しかし、世界はもうアプリで業務を進める時代になっている。

ドバイでは『WhatsApp』という日本のLineとほぼ同じ機能のアプリがビジネスコミュニケーションの主流であり、ほぼ完全にEmailに取って変わっていた。しかもそれはEmailや電話よりも遥かに効率的で、業務コミュニケーションの未来を体験した気がした。
メール返信は遅いのにアプリなら瞬時

ドバイのある銀行の担当者とずっとEmailでやりとりしていたのだが、どうもいつも返信が遅く時差のせいもあり話がなかなか前に進まなかった。これは海外特有の時間軸の違いなのだろうと諦め、急ぐ時は彼の携帯に国際電話をかけなんとか話そうと試みたが、繋がるのはいつも留守番電話。もちろん留守電にメッセージを入れても返事などなかなか来ない。

業を煮やし、彼の携帯電話番号からWhatsAppのアカウントを検索し、WhatAppから連絡。すると、瞬時に返事が返ってきた。
携帯番号はWhatsAppのためにある

ドバイ入してから現地会計事務所や銀行関係社、弁護士などとミーティングをする度に「携帯番号を教えて下さい」と必ず言われた。

私の感覚では、名刺に書いていなければ携帯番号までわざわざ聞くのは少し立ち入り過ぎな感じがしていたが、こちらの人達は躊躇がない。「アメリカの番号だけど問題ないですか?」と聞いたところ「うん。電話しないから問題ない。」との事。

彼らはWhatsAppで連絡を取り合うために携帯番号を聞いていたのだ。
すべてが早い。仕事がどんどん進む。

ドバイに着いて3日目には、一日中WhatsAppでメッセージでやりとりしていた。メッセージは一行か二行。
数日前に知り合った人達からどんどんメッセージが飛び込み、それに答えていく。移動中でもどこでもWhatsAppを触っている感じだ。こちらが聞きたい事があればメッセージすれば数分内には返事が来る。

徐々に慣れてくると、WhatsAppの返信を30分も待たせる相手は「使えない」とまで思うようになってきた。逆に小気味良いペースでやりとりできる相手とはあり得ない程のスピード感で仕事を進める事ができた。
既読機能と短文の効果

WhatsAppにはLineと同様に相手が見たかどうか分かる「既読」機能がある。たかが既読マークなのだが、これがとても有用だった。自分のメッセージを相手が見たかどうかすぐわかる。この安心感はEmailにはない。相手も、自分が見た事が相手に伝わっていると思うとすぐに返事を返さざるをえない。

このいい連鎖がコミュニケーションをスピードアップさせる。また、礼儀正しくなく短文のメッセージで済むので、返事もしやすい。Emailと違い堅苦しい文章表現がないので、しばらくやりとりしていると昔から親しかった相手と錯覚してしまう程心地よいコミュニケーションとなっていた。
クライアントコミュニケーションもアプリで

WhatsAppはアメリカやヨーロッパで最も普及しているメッセージアプリなので、今後は積極的にWhatsAppでコミュニケーションを取ろうと思った。携帯番号さえわかれば相手がWhatsAppを使っているか検索できるし、使っていたらメッセージを送る事ができる。そこから短文での頻繁なコミュニケーションを始めるができたら、顧客とのプロジェクトをよりスピードアップさせ、お客様にも喜んで頂く事ができるように思った。

電話からメール、そしてアプリへとビジネスコミュニケーションの形は今後変わっていくのかもしれない。

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