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【米国のトレンド発信】海外の経理実務事情

2017年6月20日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

アメリカやヨーロッパの中小企業のお客様の仕事をしていると、最近つくづく感じ入る事がある。『日本で生まれ育って良かったなぁ』という事だ。私がもし日本文化の中で育っていなかったら、こんなに必要として頂ける事もなかったし、感謝して頂ける事もなかった。日本人は至って普通の会計士である私ですら、世界に出ると凄い人となり得るチャンスがある。
当たり前の事を普通にやると『凄い!』

「やります」と言った事は期限通りに100%やるというのは日本人にとっては至極当たり前の事で、これがもし90%になろうものなら『使えない』という扱いになってしまうだろう。しかし海外では全くそうでない場合が多い。

「OK!やりますね」と言われた事の70%くらいやってくれたらOKな範囲で、催促して90%に達すればもう十分。あと10%は自力で埋め合わせてなんとかする というのが日常的な光景だ。このような環境なので、私はずっと『100%を求めるのは日本人だけで、欧米人はそんなもの求めていない』と思っていた。私が日本人的に100%を提供したところで、別に喜んでもらえる訳ではないと思い込んでいた。

しかし、実際は違った。約束した事を100%提供する事は、欧米人の経営者層にとってもの凄く価値があるサービスとなった。考えてみると、欧米人であっても経営者の方々は多忙を極めている。タクシーを呼んで20分かかるなら、5分で来るUberを使う。経営者の方々が皆口を揃えて「Uberって凄いよね。すぐ来るもんね。」と言っているのと同じような感覚で「君の仕事は早くて確実だね。凄いレポートがすぐできちゃうね。」と言ってもらえる。

日本人としては当たり前の事が、海外では『凄い!』と言ってもらえるのだ。
平均レベルが飛び抜けて高い日本

日本ではどの飲食店に入っても『不味い!』という経験をする事はまずない。しかし欧米では当たり前によくある。良い店は良いが、そうでない店は概ね悪い。偏差があり過ぎていて平均の意味があまりない。

これと同じように企業のCFOや会計士達も、一握りの優秀な人は恐ろしく優秀だが、そうでない人達はあまり良くないという構造になっている。そうなると、至って平均的な私のような日本人は、欧米の“普通の場所”で勝負する限り“概ね勝てる“という立ち位置になってくる。

これは本当に有り難い事で、ただ約束を守る律儀な日本人というだけでなく、レベル的にも優秀と評価してもらえるのだ。英語が全くネイティブでない私と話をするのは、欧米人的にはまどろっこしい部分が多々あると思うが、それを差し引いても十分勝負できている。これは一重に“日本の平均力”の中で育ったお陰だと思う。


飛び抜けた才能を持つ人にとっては、同調圧力の強い日本よりも自由奔放な欧米の方が突き抜ける事ができて良いのかもしれない。しかし私のような平均的な者は日本で育つ事によって世界有数の平均力を自然と身につける事ができた。この幸運に感謝しつつ、今後もアメリカンナイズされないでこの日本人としての強みを大切に磨いていきたいと思う。

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