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【海外トレンド発信】MIT流 リモート管理職の在り方

2019年12月26日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

リモートでチームを上手くリードする方法をネットで探していたところ、MITスローンスクールの下のホワイトペーパーに行き着いた。



Leading Remotely(リモートでのリードの仕方) 
https://shop.sloanreview.mit.edu/store/leading-remotely
20年前にメリルリンチでリモート管理職

今でもなおリモートでチームをリードするのは難しいというのに、筆者のジョンソンさんはまだスマホもない20年前にメリルリンチでリモートワークを開始したそうだ。しかも管理職としてなので部下は皆離れた所にいる事になる。この時代にも上手くいった方法があるのなら、今でもきっと有用なはずだと思って読み進めていくと、そこから先は有料のコンテンツだった。しかし完全に興味をそそられていたので思わず購入した。その中で紹介されていた方法の一部を以下に紹介する。
チャレンジ1 時差

複数の国でメンバーが働いている場合、時差が存在する事が多い。この時差は単に話せる時間が少なくなるという事ではなく、情報の流通量がその分減るというディメリットがあるとジョンソンさんは指摘している。経営やファイナンスの仕事の場合多くがこの情報のやり取りとなるので、情報流通量の減少はそのままアウトプットの減少かスローダウンにつながる。これは私も日々痛感している事で、同じ時差内で仕事をしていれば(たとえリモートであっても)1日で進む話が時差が大きい地域とだと2日かかったりする。これをしっかりと考慮に入れて配員をプランニングする事が必要となる。
チャレンジ2 説明の総量

「普通はそこまで説明しなくても・・」という所まで説明しないと上手く進まないのがリモートワークの特徴だそうだ。これには心理的な要素もあり、リモートだとオフィス内と違って気軽に声をかけて確認をしたりしずらいため「多分こういう事を言っているのだろう」という予測に従って仕事を進めてしまったり、自分でなかなか解決できない仕事でもなんとか自力でやろうと膨大な時間を費やしてしまったりという事が頻繁に起こるそうだ。そういう事を避けるためにも、十分以上の説明を心がけ、詰まった時にはどう対処すべきかなどの細かい点まで双方で確認する事が重要となるらしい。

他にも多くのチャレンジとその対処方法が記載されていたが、詳しくはこのホワイトペーパーを参照されたい。ジョンソンさんは現在ご自身の会社を保有しているが、その会社でも殆どの社員がリモートだそうだ。リモートには様々なチャレンジがあるが、逆に大きなメリットもある。人材採用の質も量も地理的な制限を受けない点だ。優秀な人であればどんなに遠く離れた人であっても採用する事ができる。これが一番大きなメリットだそうだ。一度リモート経営に慣れてしまえばそのようなメリットを享受できるようになるのだろう。
3.自分が向いているか判断する

リモートワークはプロアクティブな人でないと上手く行かないそうだ。誰かに言われなくてもやるべき事をプランし、スケジュールを作り、自分から積極的にコミュニケーションを取るような人が良いらしい。受け身で指示や連絡が来るのを待ってしまうような人だとどんどん業務のペースから取り残され、精神的にも孤独になっていってしまうようだ。そうなる前に向いているかどうかを自分でしっかり判断する事が重要なのだろう。

米国の会計業界ではリモートワークが増加の一途を辿っているので、今後は働き方のスタンダードになってくるかもしれない。雇用者側も従業員側もそれに備えた規律やシステムを整えていく必要がありそうだ。

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