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ワークダイバーシティ

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【海外トレンド発信】リモートワーク下の新たなリーダー像

2020年11月9日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

リモートワークが普及した現在の職場環境では、リーダーに求められる資質が今までと大きく変わってくるらしい。先日BBCの以下の記事を読んでハッとしたというか、耳が痛い思いをした。



The surprising traits of good remote leaders(良いリモートリーダーの驚くべき資質)
https://www.bbc.com/worklife/article/20200827-why-in-person-leaders-may-not-be-the-best-virtual-ones
貫禄・人格・声の大きさは通用しない
アメリカの大学での様々な実験結果が示されていたが、今までのFace to Faceの職場環境でリーダーに必要な資質と思われていた事が、リモート環境では通用しないという事だった。実際に会う環境では人は相手のキャラクターや態度などに大きく影響を受けるため、ものすごく厳しい人やぐんぐん引っ張るモティベーターのような人がチームに好影響を及ぼしていたが、リモート環境ではそういった属人的な要素はあまり大きく影響しないらしい。なるほど、これはとても耳が痛い。私のクライアント企業で厳しく接する必要があるスタッフがいたのだが、リモート環境になってからは業務の質が全くダメになってしまったのだ。電話やビデオチャットでいくら厳しく管理しても劣化のスピードの方が早く、最終的には辞めてもらう事になってしまった。オフィスで一緒に仕事をしていた時には厳しい事を言いながらも信頼関係でなんとか繋いでいたのだが、リモートではそうはいかなかった。


新リーダーは上から引っ張らない
上述の記事によると、リモート環境下で必要なリーダーの資質はチームのメンバーを『助ける力』のようだ。各人とこまめに連絡を取り困った事があれば助け、仕事に滞りがないように各メンバーを調整し、とにかく仕事をやり遂げる。ゴールオリエンテッドというか、ゴールするという目的に向かって各メンバーを助ける役目をできる人が新たなリーダー像のようだ。上から引っ張るのではなく、厳しく管理するでもなく、一人一人を横から押してあげたり下から支えてあげたりという感じだろうか。以前のリーダーが父親的だとすると、新リーダーは母親的と言えるかもしれない。
リモートでは父親より母親
どんなにITツールを駆使しても、リモートワークに孤独感はつきものだ。同じ職場で一緒に仕事をして「あー 今日も頑張ったね!」と言い合える幸福感を味わう事は難しい。オフィスでは仕事がうまく行かなくてもクヨクヨ考える時間はないが、リモートではいくらでもクヨクヨできてしまう。一同に会していれば、スポーツチームや軍隊のように父親的な強いリーダーがグイグイと皆を引っ張る事ができるが、皆が一人ぼっちで孤独を感じながら仕事をしている環境では、「どう?大丈夫?寒くない?」と声をかけてくれる母親的なリーダーの方が個人の不安を取り除き、ゴールへ向かう助けとなるのだろう。そう考えると、今まではリーダーっぽくないと思われていた人これからリーダーとして活躍していくようになるのかもしれない。


翌日審査完了でスピード融資
ポチッた翌日、融資審査が通ったという通知と共に融資契約書がメールで送られてきた。オファーされた融資上限金額がそのまま銀行に振り込まれ、それが元本になるようだ。となると先に受け取ったアドバンスは融資金額に含まれない事になる。やはりあれは本当にただ補助してくれただけだったのだろうか。。金利の3.75%は安くはないが、アメリカで普通に融資を受けようとすると4%~6%の金利がかかる。そう考えると、今後の不測の事態に備えて借りておいた方がいいかもしれないと思い、そのままこの融資を受ける事にした。

返済は12ヶ月後からスタートする事になっているが、どこにどうやって返済するのかもまだ明らかにされていない。きっと何らかの返済システムを準備して12ヶ月以内には明示されるのだろう。準備が整う前にどんどん始めてしまうあたりが実にアメリカらしいと感じた一件であった。
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ローンを受けた大企業は連日次々と判明し、新聞等で大バッシングを受けた。このバッシングによりLAレイカーズなど多くの企業が政府にローンをすぐさま返金するという事も起きた。しかしマスコミに嗅ぎつけられていない大企業は未だ多く、恐らくバレるまでは返金しないというスタンスを取るのだろう。
第2ラウンドスタート

4月27日に第2ラウンドのローン受付がスタート。今度の予算は$250B。前回より少ない。今回は大企業が申し込みしにくい世論環境が整ったが、それでも一瞬で無くなってしまう気配は濃厚だ。メガバンクのローン申請システムは未だにフリーズ状態でカクカク言っている。埒が明かない。そこで私は新興勢に目をつけた。Paypalだ。私が取締役をしている企業の殆どはメガバンク経由での申請で立ち往生していたためPaypalでのローン申請に切り替えた。今回の件でパンク状態となってしまった金融機関を補完すべく、政府はPaypalなどの新興フィンテック勢にも銀行免許を急遽発行したのだ。『新興のPaypalであればまだパンクしていないはず』という目論はみごとに当たり、トントンとプロセスが進む。結果ローン申請は3日ほどで完了し、後は政府からの返答待ちという状態となった。$250Bに潜り込めたかどうかはあと数日後にわかるだろう。

もし潜り込めたら2ヶ月間は今の人員を維持できる。しかしダメだったら更なるリストラを決行する必要が出てくるかもしれない。全てはロックダウンがいつ終わり経済が正常に戻るかにかかっている。ピリピリした春になりそうだ。

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