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ワークダイバーシティ

会計ダイバーシティでは働き方の多様性(ワークダイバーシティ)を支援しております。
勤務をしていると、現職の業務中心でなかなか他業界、異職種の情報は入り難いことと思います。
様々な職種(業務内容)や勤務スタイル、海外勤務例などを紹介してまいります。ご自身の今後のキャリア形成の参考として頂けますと幸いです。

【海外トレンド発信】ロボットが人手不足解消の切り札に(アメリカの例)

2018年8月20日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

アメリカの外食産業では最近“人手不足”が大きな問題となっている。計算上では求人案件8つに1つは決まらない、つまり人を見つけられないような状態だ。建設業などの3K業務は比較的“高給”なのでそこそこ人が集まるが、低賃金とならざるを得ないファストフード業界などには人がなかなか来ない。アメリカでは長らく中南米からの移民がキッチンの中の業務を担っていたが、トランプ政権が移民抑制に向かっている今後は更なる人手不足が予想されている。そんな中、この問題を解決する切り札として注目を浴びているのが『Flippy』だ。Filippyはハンバーガーのパテを焼くロボットなのだが、工業ロボットのようにただ『ひっくり返す』という動作を反復するわけではない。AIを使って焼き加減を判断したり、適切な動作を学んだりもする事ができる。

MISO ROBOTICS
https://misorobotics.com/flippy/


コストダウンと人手不足の違い

ロボティクスの導入は大幅なコストダウンが期待されるものの、導入しなければいけない『緊急性』が高いとは言えない。一方人手不足は日常業務の運営に支障をきたすため、今すぐ解決しなければならない問題だ。となるともう人だろうがロボットだろうが、入れられるものならすぐに入れたいとなるだろう。となると、導入が一気に進む可能性が高い。ウォール・ストリート・ジャーナルの以下の記事でも、Filippyや数社のロボティクス企業を取り上げ、今後飛躍的に伸びる産業として注目している。


WSJ:ファストフードの人手不足をロボットが解消
https://www.wsj.com/articles/short-of-workers-fast-food-restaurants-turn-to-robots-1529868693

ハンバーガーという巨大産業

アメリカ人にとってハンバーガーはとても頻繁に食べる『日常食』なので、アメリカ全体でこのハンバーガーの消費量は計り知れないものとなる。ハンバーガー業界は外食産業のキングとも言えるので、この業界向けのロボティクス企業が注目を集めだしている。上述したFlippy以外にも、サンフランシスコのベンチャー企業は更に高度なロボットを開発し、ハンバーガーの最初から最後までを完全にロボットで完結させてしまうことができるらしい。
人手不足&巨大産業

会計の話とは違う話になってしまったが、私はなんとなく会計業界にも近いものを感じて上述のウォール・ストリート・ジャーナルの記事を興味深く読み込んでしまった。会計は唯一どの業界にでも横断的にある業務で、ある程度の統一性もある。しかも世界中でだいたい同じような方法で業務が行われている。職種別に見るととても巨大な職種といえる。この業界の中でもし人手不足が起こる分野があれば、そこでロボティクスの導入が一気に進みそうな気がする。例えば、優秀な人材やサポートしてくれる会計士が少ない新興国の企業や先進国の中小企業などではコストダウンという動機よりも人手不足解消のためのツールとしての導入が期待される。会計業界のRPAはまだ金額的に中小企業向けまで落ちきっていないが、今後安価なRPAが登場したら一気に導入が進むのかもしれない。
クラウドベースのシステムが唯一の解決策?

そう考えていくとクラウドへのバックアップではなく、クラウドベースのシステムを最初から使っている方が遥かに安心に思える。バックアップを取る必要もリビルドする必要もない。クラウドベースのシステムはまだまだサーバベースのシステム程の機能性を持たないものが多いが、それでもサードパーティーのクラウドベースアプリと組み合わせるなどすれば機能を足していくとこも可能だ。セキュリティーはそのクラウドシステムの会社に依存する事にはなるが、自社で対策するよりは大手クラウドに依存する方が遥かに安全なように思う。会計業界ではまだまだ普及しきっていないクラウドだが、その重要さを痛感する今回の事件であった。

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