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ワークダイバーシティ

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【海外トレンド発信】知識習得方法の新たな考え方

2020年4月9日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

2020年は自分をバージョンアップするぞ!と新年の抱負をたて、新しいスキルや語学の習得に励んできた方はそろそろ息切れしてきている頃ではないだろうか(笑)。私はイタリア語とスペイン語の学習に取り組んでいるが幸いまだ楽しく続いている。『継続は力なり』と信じて、苦しくない程度の学習を維持しているからだろう。ただ、続いてはいるものの話せるようになりそうな実感も予感めいたものすらもまだない。どうやら私のこの学習スタイルは心理学的には間違っているようだ。


“脳へのストレス”が学習の鍵を握る
心理学では有名な“Desirable difficulty”という理論があるらしい。UCLAのBjork教授が提唱した理論で、記憶を長期記憶として定着させるためには、脳に何らかのストレスを与えないといけないという理論だ。つまり『辛くないと憶えない』という事だ。この研究では意識的にわざと脳にストレスを与える勉強法をさせた被験者の方が、効率的に内容を習得していったという結論が出ている。なるほど、面倒な事は続かないからと避けてばかりいる学習方法ではなかなか成果が上がらないのはそのためなのだろう。
“便利”や“楽”は学習の敵
私はKindleを使って本をよく読む。というより、Kindleが使えるようになってから本を読む量が格段に増えた。買うのも簡単だし何冊でも持ち歩けるのも便利だが、何と言ってもノート機能が秀逸で読書がとても“楽”になった。気になった部分にラインを引いていくと、ラインを引いた部分をまとめたノートが自動的に出来上がっていくという機能だ。素晴らしい。これがあればいちいち立ち止まってじっくり考えなくても、とりあえずラインを引いておいて後からまとめて考える事ができる。読書がどんどん進むので“ストレスがない”。しかし考えてみると、たくさん本を読んでもなかなか自分の中にその内容がインストールされていない。後でノートを読み直すと『あぁ こんないい事が書いてあったんだなぁ』と思うくらいなので、全く残っていないと言ってもいいくらいだ。
語学の学習にはDuolingo
語学学習はアプリを使っている。Duolingoというその筋では有名なアプリで、全く知らない言語でもゼロから無理なく学習する事ができる。5分程度の隙間時間で学習できるよう小刻みなプログラムになっているのも便利だ。最初は絵を見て単語を当てるような簡単なものから始まり、徐々に難易度が上がっていく。各章の最後は文章を自分で入力するような難しいものになっていくのだが、私は難易度が上がってくると『簡単なものに逃げる』という手法を取っていた。次の章に進んでしまってまた簡単な単語当てクイズから始めてしまうのだ。辛くなって続かなくなるのを恐れるがあまり、ストレスフルなものが来たら逃げるというスタイルが定着していた。これなら楽に継続できるが、やはり成果は限定的だ。

思えば筋トレも“楽しく”継続できているが、その効果はほとんど見られない。辛くない程度のトレーニングをしているからだろう。筋肉だけではなく脳にも同じ事が言えるようで、やはり負荷をかけないと成長しないようだ。

ただ、考え方を変えればこの“Desirable difficulty”理論はとても有用だ。今まで続かなくなる事を極度に恐れて辛い事を避けていたが、これからは辛い方が効率的なんだと考える事ができる。これからは負荷を意識した学習とトレーニングを実践し、効果を上げていきたいと思う。
データオタクにならないために

BIを使うと様々なデータをビジュアライズして見る事ができるので、ハマるととても面白い。しかしともするとデータを整備する事が目的になってしまい「で、それを見て何を判断するの?」というダッシュボードやチャートがたくさん作られてしまう事がある。データはあくまでも意思決定のツールなので、使えるデータのみを使える形で整備するよう心がけたい。また、飛行機のコクピットのように沢山の計器があると、全てを見きれず使いこなせないという事も起こりがちだ。日頃は見ないでも良いデータは隠しておいて異常値の時のみアラートを出すなどの工夫をして、ダッシュボード内をスッキリ保つ工夫も大切だ。

Klipfolioのような安価なクラウドサービスが出てくると気軽に試行錯誤ができるので、今後もっと流行していくのではないだろうか。

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