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【海外トレンド発信】パンデミック下のアメリカの現状

2020年5月11日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

3月中旬から多くの州で発せられた外出禁止令から1ヶ月以上が経ち、私が住んでいるイリノイ州では5月末までこの外出禁止令が継続する事となった。日本での報道だけを見るとアメリカやヨーロッパは大変な事になっているように見えると思うが、現地では全く違った景色が広がっている。
格差社会アメリカの現状が顕に
パンデミックと言っても私の周りの人達はとても平和な日々を送っている。ジョギングやサイクリングを楽しむ人達や、レストランでテイクアウトをしたり庭でバーベキューをしたり、日頃はできなかった家族との時間を楽しんでいる印象だ。もちろん皆ソーシャルディスタンスは守っているし、スーパーへの入場制限では間隔を開けてお行儀よく並び、切羽詰まった感じは全くない。しかし一方報道では感染者数や死亡者がどんどん増え危機的な状況になっている事が報じられている。データで出てやっとわかったのだが、日々増え続ける感染者や死亡者の多くは、治安の悪い貧困地域に住んでいる人達であった。アメリカでは地域によって完全に住む人達の属性が別れており、私達はそのような治安の悪い地域に近づく事はない。そういう地域では毎日銃撃事件も起き多くの人が亡くなっているが、そういう事はニュースにもならない。なので普通の地域に住んでいる人達にとって銃撃事件など他国の事のように感じられるが、データとして見るとシカゴは全米で一番銃殺事件が多い都市なのだ。今回のコロナも全く同じで、普通の地域の人達の肌感覚と実際に出ているデータは全く異なっている。アメリカという国は同じ国内であっても地域によって全く違う国のような様子となっている。
アメリカのテレビも空気を読む
日本では震災の後企業のコマーシャルが無くなりひたすらACのCMが流れ続けるという事が起こったが、今回アメリカでも少し似た事が起こっている。企業が通常時のCMを流す事ができなくなり、パンデミック用のCMのみが流れるようになった。CMの多くは医療関係者への感謝などへの気持ちを表明するもので『Thank you』という言葉がとても多く使われている。巣ごもり消費を狙ったゲームのCMやビールのCMなどはさすがにない。やはりアメリカのテレビやCM業界も今の空気読んで対応しているようだ。
感染と無所得のトレードオフ
ロックダウン当初は1ヶ月程で明けるものと思われていたが、実際には長丁場となってきた。飲食やリテールや建設業界で働く人達の多くは一時帰休となり無所得となっている。生活は相当厳しくなってきているようだ。アメリカでは通常給料日が月に2回ある。1回では次の給料日まで生活がもたない人が多いためだ。そのような状況で1ヶ月無給となったらあっという間に生活に支障が出てしまう。ニュースではフードバンク(食料を無料でもらえる施設)に列をなす車の列が、東名高速道度の渋滞のように映し出されていた。今まではあまりロックダウンに反対する人達はいなかったが、徐々にロックダウン解除を訴える声も大きくなってきた。

アメリカでは貧困層でコロナが拡がり、それを抑えるためのロックダウンが更に貧困層の生活を追い詰める。長くなれば貧困層から中間層へと影響域が上がってくるだろう。一日も早い収束が待たれる。
3.メンター制度と取り入れる

有能な人材を発掘できたらその人を大切に育てていかないとけない。その時に役に立つのがメンター制度だそうだ。どんな人でも壁にぶつかったり周囲から認めてもらえなかったりと、そのまま放置すると離脱しかねないタイミングは多くある。そういう時に信用できるメンターがいると自分の状況を俯瞰する事ができたり、事態を改善できる可能性があるそうだ。
4.従業員文化を知る

取締役が毎月ランチョン等の場を設けて、様々な立場の従業員と交流する事はその企業の文化や今流れている空気感を把握する助けとなるらしい。人事部門から上がってくる情報やデータだけを見ていても、本当の“今の状況”はわからないとの事だ。ただ、私個人的には普通の従業員が取締役とランチを共にしたところで、本音の部分を語れるとはとても思えない。例えば取締役がふらっと現場に来て、現場の人達に質問をしたり意見を求めたりする事が普通の景色になるようであれば、従業員達の状況をリアルに感じ取ることができるのかもしれない。

人材の流動化やデータベース化が進む昨今だからこそ、タレントマネジメントはこれから今まで以上に重要となっていくだろう。取締役会も足元の業績にばかり目を向けていければ良い時代ではなくなってきている。

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