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【海外トレンド発信】BPOの新しいカタチ 刑務所からのセールスコール

2019年6月25日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

BPO(Business Process Outsourcing)やSSC(Shared service center)というとアメリカではインドやフィリピンへの業務移管が主流だ。過去にはカスタマーサービスから始まり経理を含む管理業務がどんどん米国から移管された。しかし電話等を使った営業活動は時差や言葉の問題がありなかなか国外への移管が難しい。そんな中、テレマーケティング企業のTeleverdeは本業である電話営業業務を米国内でアウトソースしているらしい。しかもアウトソース先はなんと刑務所だ。


Televerde
https://televerde.com/

2箇所の女性刑務所へ業務移管

Televerdeのウエブサイトを見ると、米国内の拠点はアリゾナ州とインディアナ州だ。そして同社はこの2箇所の女性刑務所へ業務をアウトソースしている。アウトソースと言ってももちろん同社の担当者が毎日刑務所に通い教育や業務管理を行っているようだが、セールスコールをかけているのは刑務所内の受刑者達だ。
コストダウンと社会貢献の両立

同社は人件費の節減と同時に、受刑者の社会進出支援という目的でこのプログラムを実施しているらしい。受刑者は刑務所内でセールス業務を習得し、出所後は同社に就職するチャンスもあるそうだ。そうなれば刑務所内でも良い成績を出そうと頑張る人もいるだろう。
出所後のキャリア形成にも効果的

既に3,000人以上の女性受刑者がこのプログラムによって同社のセールス業務に従事し、その後出所していったそうだ。セールスコールというとあまり良いキャリアに聞こえないかもしれないが、アメリカでは今でもプッシュ型の営業スタイルを取っている企業が多くある。しかし逆に働く側はプッシュ型のハードコアな営業をできる人が減ってきており、今後も多くのニーズがあると思われる。私のクライアント(米国企業)でもこのような営業ができる人を求めており、しかも女性でそんな事ができる人がいるならきっと採用したい事だろう。『Televerdeの刑務所内勤務経験有り』というのが一つのキャリア的なブランドとなる日も来るかもしれない。
中小事務所の強い味方

今まで中小事務所は監査シーズンにたくさんのスタッフが必要で、しかし一度確保してしまうとシーズンオフに人員過多となってしまうというジレンマを抱えていた。しかしこのAIサービスを使えばハイシーズンの人員需要を少なく抑える事ができる。これは中小事務所にとって強い味方になりそうだ。今後は大手向けだけではなく中小向けのこのようなAIやロボティクスサービスもどんどん登場してくるかもしれない。

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