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ワークダイバーシティ

会計ダイバーシティでは働き方の多様性(ワークダイバーシティ)を支援しております。
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【海外トレンド発信】高級ブランドに群がるBlack Buying Power

2021年6月24日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

コロナ禍が明けて活気を取り戻しつつあるシカゴの高級ブティック街。ルイヴィトン、グッチ、ティファニーなどの高級ブランドの店舗の前には、店に入るために列をなして待っている人達がいる。高級ブランドに行列ができるなんてあまり目にしない光景であったが、今では当たり前となった。そして、その行列をなしている人々の9割が今は黒人の若者達だ。2年も前なら高級ブランドにいる客は白人ばかりで、しかも若者ではないハイクラスな中年以上が殆どであった。しかしその人達は今や見る影もなく、店の中も外も黒人の若者達で溢れかえっている。

盛り上がる“Blank Buying Power”
2年程前から“Blank Buying Power”という言葉を度々目にするようになった。黒人消費者層の購買力の伸びが顕著となり、各業界がそれに対応する形で彼らのニーズに応えて売上を伸ばそうと動くようになったものだ。特にファッション業界や自動車メーカーなどが積極的に取り組み、その成果が昨年ごろから現れてきた。ルイビィトンやグッチは店構えを一新。黒人の若者を狙った、赤や黄色やゴールドなどの派手な色使いの品をショーウィンドウにディスプレイし、マネキンも黒人っぽいものを使っている。商品デザインも黒人好みに寄っていく傾向があるようで、ルイヴィトンはロゴを大きく派手に表示する商品ラインを増やしているらしい。アウディーも派手な色使いの車を増やし、少し強そうな外見にした特別仕様車も用意しそれらが売れに売れている。
消費をリードするのは女性ではなく男性
今までの常識ではブランドのターゲットはいつも女性であった。ところが今のBlack Buying Powerを牽引するのは男性達だそうだ。これはとても興味深い。注意して見てみるとヴィトンもナイキもティファニーも、行列の約6割が男性だった。ティファニーが男性向け婚約指輪を売り始めたニュースは日本でも知られていると思うが、恐らく日本人男性の多くは『婚約指輪なんて欲しくないけどなぁ・・需要あるのかなぁ・・』と思ったのではないだろうか。しかしあれは完全に黒人男性を狙った施策だったようだ。ティファニーに男性が行く場合今まではパートナーへのプレゼントを買うためだったが、今行列に並んでいる黒人の若者達は自分のものを買うらしい。ティファニーはいち早くそのニーズを掴み『男性向け婚約指輪』という新たなマーケットを生み出したようだ。欧米の白人男性達はあまりファッションにお金を使わない。どちらかというとあからさまなブランド品を嫌う雰囲気すらある。一方黒人の若者達はファッションに敏感でブランド好きで、友人や彼女と一緒に店に来て複数人でショッピングを楽しむ傾向があり、店側にとって願ってもない新たな顧客層となっている。うまく対応できているブランドそうでないブランドとでは大きな差がついているのだろう。実際ディオールとベルサーチの派手な店舗には20人程の行列ができ、その隣のフェラガモとカルティエには全く人がいないという現象が起こっていた。

このような世の中のニーズの変化に素早く対応するには、性別や人種や国籍など様々なメンバーがいる組織でないと難しいのだろう。ダイバーシティの重要性を改めて垣間見たような出来事であった。
クラウド給与システムが日払いに対応
そんな中、給与システムではアメリカで2番目に大きいPaychex社が日払いシステムをリリースした。PayActivというシステムと組んでスマホに手取り額を随時送金できるようになっている。雇用主側はオンライン上で従業員毎のその日の勤務時間を入力するのみ。するとシステムが自動的に源泉徴収を行い手取り額をスマホに送金してくれる。この給与システムが話題となり、日払い給与を採用する企業が増えてきているらしい。

アメリカの給与システムは数十年の間ADPという企業が不動のナンバーワンであったが、これを機にPaychexが逆転するのではないかという話まで出てきている。給与システムは乗り換えるハードルがなかなか高い。過去のデータや政府への申告の絡みなど、セットアップが複雑だからだ。しかし今回のような切実な事情があれば、Paychexの逆転もあり得るのかもしれない。


二発目はウォークイン
3週間後に二発目の接種に行くと、今度は普通に駐車場に車をとめてウォークインで建物に入った。入り口でQRコードをスキャンすると「はい、じゃあ53番に行ってください」と言われ広大な会場を見渡すと、遠くの方に53番という旗を挙げている看護師が見えた。恐らく100番以上の接種ステーションがあったと思う。53番に着くと、前回と同様問診が行われ、そのまま接種。終了すると15分の待機エリアに誘導され、15分経った人から退場。聞くところによると、二発目は前回より接種者が多い(一回目の人と二回目の人が混ざるため)ので、ドライブスルーでは対応できないという事で急遽ウォークインに変えたそうだ。たったの3週間でここまでガラッとシステムを変えられるとは凄いと関心させられた。
二発目の副反応は少しハード
今度は接種翌日に37度超の発熱があり一日寝込む事となった。しかし多くの人がそうだったように、二日目には回復して通常通りとなった。

二回のワクチン接種をして驚いた事がいくつかあった。一つは日頃は(日本人に比べて)いい加減なアメリカ人達が、見事にシステマティックな接種体制を整えて、まさにF1のピットストップのように効率的な接種を行っていた事だ。状況に応じて素早くドライブするーからウォークインにシステムを大変更したのも驚きだった。そしてもう一つはボランティアの多さと素晴らしさだった。車を誘導する人も摂取する看護師も、軍の関係者とボランティアでまかなわれていた。その数は膨大な数だがこれだけ多くの人がボランティアとして素早く集結する事に感銘した。また、ボランティアは自発的に参加しているためか、一般の病院などよりも親切でハツラツと明るい対応をしていて、とても気持ちよく接種を受ける事ができた。このような光景を目の当たりにすると、自分も何かコミュニティーに貢献しないといけないなという気分になった。
第2ラウンドスタート

4月27日に第2ラウンドのローン受付がスタート。今度の予算は$250B。前回より少ない。今回は大企業が申し込みしにくい世論環境が整ったが、それでも一瞬で無くなってしまう気配は濃厚だ。メガバンクのローン申請システムは未だにフリーズ状態でカクカク言っている。埒が明かない。そこで私は新興勢に目をつけた。Paypalだ。私が取締役をしている企業の殆どはメガバンク経由での申請で立ち往生していたためPaypalでのローン申請に切り替えた。今回の件でパンク状態となってしまった金融機関を補完すべく、政府はPaypalなどの新興フィンテック勢にも銀行免許を急遽発行したのだ。『新興のPaypalであればまだパンクしていないはず』という目論はみごとに当たり、トントンとプロセスが進む。結果ローン申請は3日ほどで完了し、後は政府からの返答待ちという状態となった。$250Bに潜り込めたかどうかはあと数日後にわかるだろう。

もし潜り込めたら2ヶ月間は今の人員を維持できる。しかしダメだったら更なるリストラを決行する必要が出てくるかもしれない。全てはロックダウンがいつ終わり経済が正常に戻るかにかかっている。ピリピリした春になりそうだ。

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