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【海外トレンド発信】BIソフト『Tableau』で初心者が遭遇する最初の壁

2018年5月21日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

以前、ビジネス・インテリジェンスソフト『Tableau』を使い始め、Tableauと会計ソフトを繋げるまでの苦労について記事にしたが、今回は「繋げた後」に最初に遭遇する大きなハードルについて書いてみたいと思う。


Tableau
https://www.tableau.com/

膨大なテーブルたち

Tableauと会計データを繋げる事に成功した後、最初に目にするのが会計データを構成をする膨大なデータベーステーブル達だ。これらのテーブルは会計ソフトの中で動くものなので、一般の人にわかるように作られているわけではない。つまりシステムの素人がパッと見ても「さっぱりわからない」状態になっている。テーブルの名前も何を意味するものなのかわからないものが多い。アメリカのメージャーな会計ソフト『Quickbooks』でも50以上のテーブルがある。まずはこのテーブルの中身を覗いてみて「君はいったい何のデータなんだい?」という所から始める事になる。システム初心者の場合、ここで一回心が折れる人が多いと思う。私も見事に折れてそれから丸一週間全くTableauを見て見ぬフリをして過ごしてしまった。
『連結コード』を見つ出す

一週間後、今度は覚悟を決めてデータテーブルを一つづつ見ていってみた。かなり根気を必要としたが、よく見てみると各テーブル達を連結するための『連結コード』的なものがある事がわかった。一度Accessなどでデータベースを作った事がある方なら親しみがあると思うが、このコードで各テーブルのデータが連結されている。これを発見したら二つのテーブルをTableau上で繋げてみたら「あぁ、これは在庫の商品コードで、これは商品の詳細テーブル、これは売値や卸値が入っているテーブル、そしてこれはその商品がどの勘定科目で売上や原価に適用されるかを示しているテーブルなのか!」という感じで、少しづつデータベース構成が見えて来る。
元データとなるテーブル群

関連するテーブルを繋げていくと、一つの大きなデータが出来上がる。先程の例だと商品毎にその行に詳細や価格、卸値、資産や売上や原価の勘定科目などなどが横に羅列されるデータだ。元はいくつものテーブルだったものを一つにまとめたもので、このデータは在庫や原価を扱う分析で頻発に使われるデータとなるだろう。目的別にこういったテーブル群ができてくると、今まで無味乾燥としていたデータ達が意味をもったものとして見えてくる。
テーブルが大きいとクラッシュ!

さて、出来上がったデータ群を元にデータ分析を開始しようとするとここでまた事件が起こる。エラーが出てしまってプロセスできないのだ。Googleでエラーコードを検索して調べていったところ、このエラーは元データが大きすぎる時に出てきてしまうものらしい。せっかく各テーブルを繋げて意味あるデータを作れたのに今度は「大き過ぎる!」と言うのだ。もう!と思って更に詳しくググっていくと、どうやらできあたった大きなデータの中で、必要のないデータ列を「隠す」というテクニックがあるらしい。エクセルで言うところの「J列とK列は今は必要ないデータだから隠しておこう」というようなテクニックだ。そんな事で解決するのが疑問を感じながらも試したみたところ、これで見事解決した。後々わかったのだがこの「不必要なデータを隠す」という作業はとても重要で、データ分析のプロセススピードを上げる効果があるらしい。必要なデータ以外は「隠す」というのが基本らしく、これをしないでデータ分析にかかると毎回プロセスに時間がかかってしまいグルグルしたアイコンを見ながら待つ時間が生じてしまうらしい。

進めば進むほど新たなハードルと遭遇するTableauだが、有難いのはBIツールの中では歴史があるのでGoogleで検索すると解決策を探し出しやすい点だ。これが最近出たばかりのシステムだとこうはいかないと思うので、歴史があったりユーザーが多かったりするのは、新しいシステムを選ぶ際にとても重要な事なのかもしれない。



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