• TOP
  • ≫ ワークダイバーシティ

ワークダイバーシティ

会計ダイバーシティでは働き方の多様性(ワークダイバーシティ)を支援しております。
勤務をしていると、現職の業務中心でなかなか他業界、異職種の情報は入り難いことと思います。
様々な職種(業務内容)や勤務スタイル、海外勤務例などを紹介してまいります。ご自身の今後のキャリア形成の参考として頂けますと幸いです。

【海外トレンド発信】米の会計監査報酬がインフレ以上に高騰中

2021年1月31日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

インフレ問題が話題となっている最近のアメリカだが、消費者物価よりも激しい価格上昇を見せている産業がある。会計監査業界だ。消費者物価のインフレ率が1.4%であるのに対し、監査料金は3.7%と倍以上の上昇率となっている。以下の記事でその真相が解明されていた。



Audit fees rise faster than inflation
https://www.cfodive.com/news/audit-fees-rise-faster-than-inflation/609341/
総量の増加
監査法人へのフィーが増えた理由はアワリーチャージの増加というより業務量の増加が主な原因のようだ。コロナ禍によりM&Aが増えた事がその一因となっているらしい。アメリカではロックダウンが開始された後あっという間に経営が成り立たない企業が続出し、それに伴うM&Aが積極的に行われた。M&Aのトランザクションに絡む業務量増加とM&A後の初監査に伴う業務量増加が相まって、一気に監査法人のフィーが膨らんでいったようだ。
リモート監査導入の影響
もうひとつは、リモート監査を導入せざるを得なかった事による業務量増加も影響したようだ。予定して段階的にリモート監査に以降したわけではなく、多くの現場ではいきなりリモートで業務をしなければならない状況に遭遇した。そのため試行錯誤コストがかかり業務量が増えていったという理由もあるようだ。

実際の監査の現場では監査法人も受ける側も多くのチャレンジがあったのだろう。一方リモート監査の新たな手法などが確立された部分もあると思うので、今後は監査業務の効率化が進み逆に監査フィーが抑えられていくという流れもあるかもしれない。
グループ資金管理
グループ企業内でのキャッシュの融通をうまく行う事も重要な施策の一つだ。イギリスの企業は資金繰りが逼迫しているが、アメリカのグループ会社はそこそこ余裕があるという事もある。このようなグループ内の資金繰り状況をどこかで包括管理し、グループ内で融通しあうことはとても有効な施策となる。

サプライチェーンの乱れが続く限り資金繰り問題は今後も続くと思われるので、考えられる事は全て試してこの難局を乗り越える必要がありそうだ。
金額の差はサービスの差とは無関係
しかしそれでも、英語でのコミュニケーションが不安定だったりすると困るので、時給が高くても安心できる人に頼みたいという気持ちもある。ところが、実際に各人とやりとりしてみると金額の差はサービスの差とは関係ない事がよくわかった。一番期待していたイギリス人はレスポンスがとても遅く内容も的を得ない。最もやりとりがスムーズだったのはウクライナの方であった。彼はウクライナで英語圏の企業向けのウエブサイト構築サービスをチームで展開しているらしく、実績も殆どアメリカ企業の顧客。英語もパーフェクトでやりとりも簡潔で、現地時間の23時ごろでも返事を返してくれるようなスピード感であった。しかも時給は$25。もう彼のチームしかないという事で発注する事となった。

考えてみると今まで発注していた会計業務もアメリカ国内に限定する理由は殆どなかった。全世界に向けて発注していたらもっと良い方々に付加価値の高い仕事を依頼できていたかもしれない。そう思うともう次回からは間違いなく“全世界”を指定して募集をかけるようになるだろう。業務のリモート化が進んだ昨今はこうも簡単に海外に業務を依頼する事ができてしまう。こうなると英語圏の先進国で仕事をしている人達はどんどん厳しくなってくる。会計業界でもこの流れは更に進んでいくのだろう。
第2ラウンドスタート

4月27日に第2ラウンドのローン受付がスタート。今度の予算は$250B。前回より少ない。今回は大企業が申し込みしにくい世論環境が整ったが、それでも一瞬で無くなってしまう気配は濃厚だ。メガバンクのローン申請システムは未だにフリーズ状態でカクカク言っている。埒が明かない。そこで私は新興勢に目をつけた。Paypalだ。私が取締役をしている企業の殆どはメガバンク経由での申請で立ち往生していたためPaypalでのローン申請に切り替えた。今回の件でパンク状態となってしまった金融機関を補完すべく、政府はPaypalなどの新興フィンテック勢にも銀行免許を急遽発行したのだ。『新興のPaypalであればまだパンクしていないはず』という目論はみごとに当たり、トントンとプロセスが進む。結果ローン申請は3日ほどで完了し、後は政府からの返答待ちという状態となった。$250Bに潜り込めたかどうかはあと数日後にわかるだろう。

もし潜り込めたら2ヶ月間は今の人員を維持できる。しかしダメだったら更なるリストラを決行する必要が出てくるかもしれない。全てはロックダウンがいつ終わり経済が正常に戻るかにかかっている。ピリピリした春になりそうだ。

ワークダイバーシティ記事一覧

※ 過去のワークダイバーシティ記事一覧はコチラからご覧ください。