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【海外トレンド発信】会計監査用AIサービス「MindBridge」

2018年10月31日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

Big4監査法人のAIやロボティクス導入がもの凄い勢いで進む中、最近アメリカの中小会計事務所の間ではこんな事がよく話題となっていた。「中小の事務所は全部Big4に顧客を奪われてしまうのではないか?」という懸念だ
中小事務所の一番のウリだった低価格

Big4に頼むほどの規模ではないが、融資を受けている銀行から監査報告書の提出を求められているのでどこかの事務所に頼みたい。こういったケースで中小の会計事務所でも監査やレビューを行うニーズがあり、それが一つの業界カテゴリーとして成り立っている。彼らのウリはBig4に比べて低価格でリーズナブルな監査を行えるところだ。ところがこの唯一のウリがAIやロボティクス技術に脅かされつつある。Big4は膨大な予算をこれらの技術につぎ込んでどんどん先へと進んでいくが、中小にはそんな余裕はない。その差は開く一方でいつかはBig4が廉価版監査業務に攻めてくる可能性も十分に予想される。中小事務所の心配は日に日に大きくなる一方だった。
監査に特価したAIサービスが登場

そんな中、あるサービスの登場で中小事務所にも少し光が差してきた。会計監査業務のためのAIサービス「MindBridge」だ。IBMのワトソンなどと違い監査に特化したAIサービスなので中小企業でも導入可能な金額でサービスを提供しており、使い始めた会計事務所達の間で「救世主だ!」と話題となっている。

MindBridge
https://www.mindbridge.ai/

AIはサンプリングしないで総当たり

通常の監査では監査人が精査するデータの一部をサンプリングして、その取引の正当性を確証していく作業となるが、このAIはサンプリングなどしない。データを総当たりしてしまうのだ。当然監査人はサンプリングリスクを考慮する必要がなくなり、監査の正確性が増す。総当たりしたデータについてAIがリスクを高・中・低に分けてラベリングしてくれるので、監査人はリスクが高いものだけを拾って確証を得ていけば良い。
中小事務所の強い味方

今まで中小事務所は監査シーズンにたくさんのスタッフが必要で、しかし一度確保してしまうとシーズンオフに人員過多となってしまうというジレンマを抱えていた。しかしこのAIサービスを使えばハイシーズンの人員需要を少なく抑える事ができる。これは中小事務所にとって強い味方になりそうだ。今後は大手向けだけではなく中小向けのこのようなAIやロボティクスサービスもどんどん登場してくるかもしれない。

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