• TOP
  • ≫ ワークダイバーシティ

ワークダイバーシティ

会計ダイバーシティでは働き方の多様性(ワークダイバーシティ)を支援しております。
勤務をしていると、現職の業務中心でなかなか他業界、異職種の情報は入り難いことと思います。
様々な職種(業務内容)や勤務スタイル、海外勤務例などを紹介してまいります。ご自身の今後のキャリア形成の参考として頂けますと幸いです。

【海外トレンド発信】AI経費精算の「Expensify」は一度使うともうやめられない

2018年2月11日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

サンフランシスコを拠点とする経費精算サービス(というかアプリ)のExpensifyは、ここ数年で完全にアメリカやイギリスで経費精算のディファクトスタンダードとなっている。
スマホのアプリでレシートの写真を撮るだけで、後は全てやってくれるサービスだ。

遅ればせながら最近このサービスを導入してみたのだが、一度使うと便利過ぎてもう離れられなくなる感じであった。

Expensify
https://www.expensify.com

予め正しく設定しておくと、本当に「写真を撮るだけ」で経費精算が完了し、気づいたら会社から精算金額が自分の口座に振り込まれている。金額や日付や支払先を読み込み、費目を自動的に判断し、幾つかのレシートをまとめてレポートを自動生成し決済者にメール送信。決済者が承認したら会計システムに自動入力され、会社の銀行口座から個人の口座に送金が行われる。人がやるのは「写真を撮る」と「承認ボタンをクリックする」という二つだけだ。

当然背後でAIが大活躍してこのサービスを実現しているそうだ。

手書きの「チップ込みの価格」を読み込む

アメリカのレストランではチップがあるので、レシートにチップとチップ込の金額を手書きで書き込む必要がある。

レストランによってレシートの書式もまちまちだし、どの金額がチップ込なのか判断するのも難しいし、そもそも酔っ払った時に書いた私のミミズがはったような時を読めるわけがない。そう思っていた。

しかしこのExpensifyはきちんと手書きのチップ込の金額の方を読み込んでくれる。かなり酔っ払った字でも大丈夫だ。これには本当に驚かされた。
通貨も自動認識

海外のレシートは更に複雑だ。英語ならまだしもフランス語やドイツ語で書かれたレシートを上手く読み込んで通貨や費目まで特定できるはずがない。そう思っていた。

ところが言語が違っても正しく殆ど正しく費目を判断するし、通貨もきちんとユーロやポンドで認識され自動的にドルに変換されている。世界中どこに行ってもレシートの写真を撮るだけで経費精算が終わってしまう。
会社のルールも作成可能

「この経費は認めるがこれは認めない」などのルールを決めることも可能だ。

するとExpensify側で認められない経費は弾いてくれるので、経費チェックをする人が必要なくなる。決済側もスクリーニングされた後の経費精算書を承認するので非常に楽だ。
更に進むAIのサービス

Expensifyでは数年前から独自のAI「Concierge」を導入し、まさに一人のスタッフのようにこのAIを活用している。

最初は人がやっている作業をAIが行うところから始まり、現在は世界中で入力される膨大な経費データを機会学習させている。そこから得られたデータを使ってサービスの自動化の精度を上げたり、旅費などを適正な価格(世界中のユーザー達と比べて)で購入できているかを評価したりなどを行っている。まさに痒い所に手が届くサービスをAIで実現している。

普通のシステムはあくまでも「機械」だが、そこにAIが入ってくると「人と近くなる」。そんな感じがしたExpensifyの使用体験だった。

ワークダイバーシティ記事一覧

※ 過去のワークダイバーシティ記事一覧はコチラからご覧ください。